第39章 七つの鎹
それではっとしたわ。そういう事をするから皆、ご飯を食べる時すっげえがっつくんだわ。抱え込むっていうか、これ僕の!って少し意地汚い執着心を見せるっていうか…。
『……分かった。悟が子供らの隣でおっぱいをガチ吸いするからみーんなご飯に執着するのでは?』
「なに言ってんの、そこは食いしん坊なキミの遺伝だろ?僕がキミのミルクを吸うのはおすそ分けしてもらってるのと、えっちの時の栄養補給なの。
今度子供が生まれたらそんなにオマエのおっぱいに吸わないからさあ~…」
……普通の家庭の父親って吸わないだろ…と思いたい。この人がちょっとアレ(残念)なだけなんだろ…と。
目の前のせがむ表情の悟から顔を反らすと彼は「ねえねえ」と甘い声でおねだりを始めた。
「ほら、脚開いてさあ~……早く赤ちゃん作ろうぜ~?」
本当かなあ…。どうせ今度生まれてもちゅうちゅうと母乳を吸って、「やっべキタコレ」とか言ってトイレに駆け込むんだろ…と時々飲みすぎて籠城する彼の愚行を思い出して不安にもなる。いい加減学べってば。
するっ…、とベッド上の衣擦れの音を立てて脚を開けば待ってましたとそのまま私を押し倒し、唇を塞ぐ悟。顔に彼の髪が当たってくすぐったい。
『んんっ、むぅ…』
ぬるりと舌が口内に潜り込んで、空気とお互いの唾液が混ざり合いくちゅっ、と口内で音を鳴らす。
急にがっついてきたな、と私が悟の胸をそっと押せばその私の手首を掴んでベッドに押さえつけて。時々かぶり付く唇の角度を変えて楽しんでる悟。目の前の白くてやけに長く、ふさふさの睫毛。夏にキャンプに行って見上げた星空を思わせるきらきらとした瞳がその間で細められていた。
両手を押さえつけるだけじゃなくて、目で見えずとも場所をまさぐる様に太もも裏やお尻の肉につんつんと湿っぽいものが突いては、ここは違う、と場所を変えて収まるべきその場所……私の脚の間の中央を目指してる。
それが触れた場所はそれが収まる場所からより近い場所で、上下に腰を使って先端だけで上手に性器同士を触れ合わせて愛撫していた。
そんな事をされてる私を楽しむ目の前の瞳から逃れようと、こちらから瞼を閉じれば唇が離れて互いに甘い吐息が漏れた。
「駄目だろ、オマエひとり気持ちよくなって逃げちゃ。余すこと無く感じるハルカを僕に晒せよ、そしてハルカで気持ち良くなってる僕を全部見ろ」