第39章 七つの鎹
『ん……?ああ、ウン……とっても…お元気ですね…?』
黒いTシャツの下はスウェットの下部分。ライトグレーのゆるいズボンを履いてるからパツパツにはならないはずが、ピン、と股間部分が生地を伸ばしてる光景。
「昨日出来なかった分、今日はいっぱいしよ?」
彼が指差した所は私が部屋に戻ってくる前から多分勃起して持ち上がってた。悟の言う通り昨日は二番目の子と三番目の子が寝付けずに苦戦し、また疲れてたって事もあってベッドでの夫婦の営みをしなくって。
えっちが出来ないって事にちょっと拗ねてたけれど最終的に腕枕からの今朝は私を抱き枕にして翌日を迎えるってオチだった。
昨日分溜まってるからえっち、したいんだな……とベッドサイドの引き出しに手を伸ばそうとした私の手首を彼はがっしりと大きな手で掴む。火傷しなくてもその手は熱く、私のこれ以上伸ばそうとする手を完全阻止してる。
「ねえ、ゴムはちょっと待ってよ」
子供を流してしまってから何度も気を遣ってた悟。だから、しばらくは生でしないで今居る子達に兄弟を作る機会はもっと先にしてるから今日もゴムするんでしょ?と思ったら、私の目と彼の目が合った瞬間、悟は首を横に振っていた。
「着けないで生でしようぜ?……二回、縁は無かったけどさ。そろそろご縁があると思わない?」
『……赤ちゃんに?』
うん、と頷く悟。手首を離したタイミングで私は物を取るために浮かせてた腰を落とし、正座に座り直す。
優しくも真剣な眼差しの悟。その吸い込まれる青い瞳から私は目が反らせなかった。
「オマエは上手く定着しなかったのはかつての僕の許嫁の呪いじゃないかって言ったけれど。
僕はそうは思わないよ?せっかちな子がお腹から出る時を早めちゃったんだ、次こそはきっと、出るのを我慢して元気にハルカのお腹で育って、来たるべき時に生まれてきてくれるって思う」
『うん……』