第38章 芽吹くもの、芽吹かぬもの
『保健体育の質問じゃねえよ、変態教師。
まともに呪術に関係した質問なんだけど…』
「えっ、そこなんで普通の質問すんの?僕、赤ちゃんはどうやって作られるのか?とか実技を交えた質問かなって気合いを入れそうになったじゃん!」
『子供ふたりも拵えて今更質問せんわっ!とっくに作り方は知ってますーう!』
もちろん彼も分かっててふざけてるんだろうけどさー。
けたけたと反応を楽しむように笑う悟。それが収まった後に彼に聞く。聞きたかった事……、それは報告書にあった極ノ番についてを。
呪術って代々教えられるものだとか、その者が解釈して生み出して定着させるものだけどまだ私には極ノ番に相当するものは何なのかを知らない。春日家の書物で見たことも無かったし、今からわざわざ先代達に聞きに行くのも……。
真面目に質問に答える悟の口から直接、極ノ番を使用した数名の事例を聞いたけれど……春日家としては一体どういう術を使うんだろう?
ま、とっておきを使うレベルまで追い詰められる事のないように過ごしたいよねえ~…。
うんうん頷き、ずっと考えてた知らない呪術の正体を知る事が出来て私は満足です。
ドヤ顔で締めた彼ににこっ!と笑って。
『ありがとー、さっすが先生、呪術に関してはプロだねっ』
ばちん、とウインクをして見せて彼はどういたしまして、と素直に受け取ってたけど。
一瞬に真顔になり動きと止めた悟。私の顔をじっと見てくる。
「……ちょっと待って。呪術に関してはって何かな?」
『えっ……褒メタンダヨ…?』
「これはいけない、補習授業が必要みたいじゃん」
『いや、必要ないでしょ……さーて、悩みの原因も解消したしご飯ご飯~』
全てが解決してない、春日家の極ノ番ってなんだ…?って悟から聞いて後にも家事をしたり育児をしながらにずっと考えていたってのもあるけれど。
はっと気が付けばかつての制服を着ていて、満面の笑みを浮かべた彼が「特別授業を始めよっか?」と着替えさせたんだろう、私の制服に手を忍ばせてる。
『どうしてこうなった』
「すべき時だからこうなってるのさ!……て事で。僕の授業は気持ちよさが非常に分かりやすいから、すぐにトんじゃわないようにね…?」
人差し指を口元に当てて「子供を起こさないように声の出しすぎも注意ね?」と妖艶に笑う彼。
こうして夜の特別な実技授業が繰り広げられる展開となった……。