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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第38章 芽吹くもの、芽吹かぬもの


身につけてる間に怪我などをして、術式を発動させるためにちょっと呪力を流し込めばその人の代わりに一度だけ怪我を吸ってくれる、"もしも"の為の備えのもの。
昔は人形に移す、と考えて身代わり人形と呼んでいたものを去り際に得た知識と現代に合わせて簡単かつ生産のしやすいものにしたんだけど……。

ミサンガは始めこそ失敗ばかりでまともに作れるようになったのは三本目から。
医務室での仕事、事務所、悟の送迎などの他、育児をしながらの間に作るものだからたくさんは作れずとも現在で四つほど作り終えてる。悟以外にも何人かに振り分けられて、その中の一人に狗巻が充てられている。
彼の場合は喉に負担が掛かるから特に喉薬を使うよりは一番良いって、誰よりも先に挙げられた名前は彼だった。何回か喉を酷使後にそれをミサンガに縫い込まれた、術式の残る式髪に移すから確かに現場にいけない私の替わりに離れていてもサポートが出来るなら作った意味はあったみたい…。

でもこの術式を仕込める譲渡をしてもらった、本当の目的は子供の為。成長に合わせて子供達を守れるように作ってあげたい所だけれど、あまりにも小さい為に守るべきもので怪我をする可能性がある……だから今は呪術師の為に少しずつ作って身代わりの出来るモノを量産しておくんだ。

……まだ小さいから私や悟が直接守って。もう少し、大きくなったら私も遠くでも守らせて欲しいなあ。

"目的地周辺です お疲れさまでした"

ナビのアナウンスを聞きながら車を幅寄せし、ゆっくりと減速させて停車させる。
蒼空をおんぶ紐でしっかりと固定して降りた悟。私が窓を下げるとサムズアップして笑ってる。

「じゃあ僕は蒼空と一緒に行ってきます!」
『ん、夕陽は任せといて』

頷いてにっ!と笑えば彼は運転席の窓から後部座席を覗き込んで手を振って笑っていた。

「夕陽ちゃ~ん、またパパお仕事に行ってくるからねー!いい子で待ってるんでちゅよー?」
『……と、一番上の赤ん坊が申しておりますってね。蒼空、悪いことしてたら背中とか頭をぱしぱし叩いてあげなよ?ちょっとぽんこつな所あるからね、あなたのパパは』
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