第38章 芽吹くもの、芽吹かぬもの
「……僕の精子はオマエにだけしか注がないから。だから全部受け取って、また元気な赤ちゃんを産むんだよ?」
何度も頷いてぎゅっとくっつく。幸せで、安心で、独り占め出来て……。
このきもちい時間がもっともっと続いて欲しいって、言葉にならない私に悟はくす、と頭上で笑ってる。
「もう、気持ち良くてトんじゃってるんだ…?ほんと、可愛いよ、ハルカ……。僕の事、ぎゅっとくっついて離れないくらいに好きなんでしょ?」
笑った瞬間に肌に掛かる吐息さえもきもちい…。
抱きつく力をきゅっと強めて密着面を広くし、悟をより感じた。
『うん…すき。さとるのこと、だいすき…』
「ククッ…!知ってるよ、オマエの身体も心も、僕だけのモノだし。僕もハルカの事が大好きだ……愛してるよ」
それが嬉しくって、最後まで私の中に精子が注ぎ終わった後に抱きつく力を弱めて、とろんとした達成感に満ちた悟の頬を両手で挟んでキスをした。
唇が離れた後の微笑みは柔らかく、彼の顔はほんのりと頬が染まってる。
「……んっ、なぁに…?積極的だねえ~…」
『さとる、私、もっとしたいんだけど……?』
もっと欲しい。もっともっと欲しい。
彼を他の人に取られないように、彼が他の人の元へと行かないように私で繋ぎ止めたい。
結局は遠慮して我慢してたものは悟によって全て解き放たれて欲のままに彼を求める。求められた側は随分と満足した表情で、精液を吐き出して落ち着き、私の形にフィットしてたモノが私の中に入った状態でムクムクと硬さと太さを増していく。
至近距離で私の両手で頬を挟んだままの悟。私を見上げ、ふふっ、と優しく笑って。
「いいよ?満足してもう充分ってオマエから降参しても僕がさっきみたいにトぶ程にオマエを愛してあげる」
『さとる……』
「今日はふたりとも理性が無くなるくらい、いっぱいえっちしよう。まだたった一回だ、僕もオマエもそんなんじゃ満足してないのはお互いに分かりきった事じゃないか?
まだまだ毎日えっちするんだ、今日程度で簡単に妊娠してくれるなよ~?」
……なにさ、夕陽を授かった時すっごく喜んでたクセに。
互いに見つめ合い微笑んだ後に息の出来ないくらいに深い口付けを交わし。
ベッドになだれ込んで何度も何度も、気絶するくらいにして気が付けばカラスや雀の鳴く早朝…という熱く激しい夜を過ごした。