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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第5章 "好き"が止まらない!


指先で指そうとも悟は首を傾げるのを右から左に替え、また左から右へと変え……指で指す私に対して自分で直そうとする気力が見られなかった。いや、この人わざとだ。

「やって☆」
『このわざとらしい芋芝居!』

ようやく自身で触れ始めたと思えば、自身の髪を掴んでおどける悟の頭に私は手を伸ばす。
ふわ…、
おっ……ふわふわして柔らかい…。
寝起きの体温が温かく、ポメラニアンは言い過ぎかもしれないけれど、長毛種のような触り心地だなぁ…。寝癖に伸ばした手はそのまま感覚を楽しんでしまった。さらさらとして、ふわふわとした白い髪。
手を滑らせていくと後頭部…、首の近くの部分は短い。ツーブロックになってる。少しショリショリしてんな……、と触れているとふふ、と笑う声に正気に帰る。そのふわふわでショリショリの主の瞳を見ると少しばかり細められた空色の双眼。
私はつい、夢中になっていたみたいだ。寝起きの体に火のつくような体温。その手を引っ込め、視線を反らした。

『ごっ…ごめ、』
「いいや?僕はキミからこう触れられるの、いいんだけど…?」

じりじりと愉快そうに笑う悟が顔を近付けている。それに少しずつ私は避けていく。
キスされるかも、と思ったけれど。悟はピタリと近付くのを止めた。

「──続きは歓迎会終わってからかなー、ハルカ、このままだとキミ、遅刻しそうじゃない?」
『え』
「お弁当大丈夫?僕はそこらで買って済ませられるけれどキミ、どうすんの?」
『あ…』
「昨日の残りのおかず詰めてけば良いんじゃね?」
『それや!』

一気に押し寄せる情報量。悟の最後の提案に両手で悟を指差し、私はベッドから飛び降りた。


****


「おはよー」
『おはよう』

バッグを机に置き、昨日使ったテキスト等を机に突っ込む。
お弁当は結局悟が昨日作って、おつまみになってたあのジャーマンポテトを突っ込んでいる。ご飯は予約して炊いていたから詰めただけ。究極の手抜きだけれど、遅刻しそうになったのだからしょうがない。
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