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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第38章 芽吹くもの、芽吹かぬもの


ちょっとレアな悟の赤面ににやにやしていれば、車はデートの為に車庫から発車する。
真剣に前方を向きながらもムッとした彼の横顔が面白い。赤くて、子供みたいに拗ねて可愛いっていうか。
そんな悟をくすくすと笑っていればこっちをちら、と一瞬向いてくれた(照れたまま不機嫌そうな表情でさ!)

「僕だってオマエに惚れてんだから、赤くなっちゃうのは仕方ないだろ!赤いっつっても僕は誰かさんよりは真っ赤になってねえし~?」
『照れながら惚れてるとか言うな、私にも感染するじゃん!』

言いながらも熱を感じる顔面。悟は不機嫌な態度から一変して楽しそうに「仲の良い夫婦だもん、仕方ないじゃん!」と赤いままに笑顔になって予約を入れてあるだろう、目的地に向かって行った。

最近ずっと食べたい食べたい嘆いていた甲斐があったのか、今回のデートプランにお寿司を食べに行く事を入れてくれた悟。夢にまで出てきた、ずっと食べたかったかつての銀座のお寿司を食べて……!
食後には晴れた空の下、任務のない堂々とした落ち着いた心でふたり並んでのんびりと目的なく歩いて。
育児と家庭内の必需品ではなく、インテリアになりそう!とか雑貨屋さんで買い物したりさ?
お昼からしばらく経ったし、おやつとしてそれぞれ違うクレープを買って、互いに何口か食べあったりして!

……ひとりじゃ生きることの出来ない赤ちゃんを育てるのはとっても大変で。だから私達は大人として、親としてふたりの子供を気にかけながらも、日々の生活の維持や、呪術師としての勤めを果たして互いに多忙だった。余裕が無かった。
空いた時間があったとしても、その時間をゆっくりと休めるワケじゃない。それでも悟と一緒に協力しながらも生活をしていたけれど、たまにあるこういう子供を預ける時が私達を強く繋げる大切な期間なんだろうって感じてる。

子供中心の生活からふたりだけの時間に改めて気がつく所とか、やっぱり好きだって事、安心する事。今更になって恋人だった頃を思い出すような胸の高鳴り。
腕に手を絡めるのも良いけれどさ。今の私は手を繋ぎたいな、とポケットに手をツッコむ悟の腕からする…、と手を離すと何も言っていないのにこちらをみて、差し出す手。

……本当に、こういう時に勘が良いんだよねえ…五条悟って人は。
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