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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第38章 芽吹くもの、芽吹かぬもの


どうせ私から言わずとも悟には、呪いを掛けた事についても知られてる。彼の六眼ってのはそういう事までお見通しなんだから。
その呪いの実態を知らない彼女は私を睨みつけ、ヒステリックに叫んだ。

「ひっ…!な、なによ!貴女が私に掛けた呪いって……!今すぐに解呪なさい、私を誰だと思ってるの!?」

自身を抱きながらに喚く女。駆けつけた際に悟が連絡を入れた事もあり車が入ってくる。
彼女と数ヶ月ぶりに会った今日、反省でもしていたら未練を切れるようにと彼女の歯車が狂ってしまった原因の身体を、内側から正常にさせてあげたかもしれない。そうしたらきちんと家庭を持ち、新たな人生を歩めたかもしれなかったでしょう。

でも、二度も私やお腹の子を殺そうとしてきたんだ……治してなんかやるものか(頼まれてもないし)
些細だけれどこれくらいの呪いは掛けたって良いでしょ。
ふん、と鼻で笑いやっぱり呪いの正体を明かさない…誰かあんたなんかに明かすものですか。

『私があんたを許す時まで絶対に解きやしない、これから先ずっと私の呪いに怯えて過ごせば?あんたの人生なんて知ったこっちゃない、のうのうと生きていようが野垂れ死のうが』
「……っ」

呪物の購入ルートなどの聞き込みがある為に非術師の男と、ようやく黙った悟の元許嫁の女は車に乗せられていく。その車に同乗していたのは処理班らしく、一名のスーツを着た高専関係者が弾け飛んだ呪物の破片を長めのピンセットで回収しているのを悟と並んで眺めながら、息子を抱き抱える私の肩を悟にそっと抱き寄せられた。

「……で?あいつになんの呪いを掛けた?聞いたからには黙っていられないんだよね、いくら僕の嫁だからって。
死に繋がる呪いを掛けるのはご法度、僕としてもオマエをどうこうするのは避けたい事だし」

見えたとしても発動はしてない…詳細は悟にはまだ見えない。

『それはそれはとても醜い呪いだよ…』

車の中で振り返る女の視線はもう、好戦的ではなく怯えてた。詳しく言わないからこそその身に降りかかる呪いは想像上でどんどん危険な呪いかと思いこむでしょう。
肩に触れた悟の手に少しだけ力が入る。それを合図に彼を見上げてにっ!と笑った。

『ここだけの話。あの子には自分の意思ではどうすることも出来ない、内側から男だと勘違いさせる呪いを掛けたんだ。徐々に体毛が濃くなったりするんじゃあないのかな?』
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