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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第37章 繋ぐいのち、五条と春日の鎹


「……なに、急に顎クイ?子供の前でチュウしちゃうワケ?蒼空が寝てるからって…もー、ダイタン、なんだからっ!きゃっ!」

寝てる、と言われて悟から下を見れば私の指を握ったまま目を閉じていた。少し前まではしゃいでたのにコロッと寝ちゃって気分屋な悟みたいだ……。
乙女というには些か無理のある態度を取る悟。別に動きを止める為だし、キスだったら現時点でドアを締めていたらしたかもしれないけれど、音もなく忍び込んだ目の前の人のケツ抜けさに私はここでキスはしませんよ?

彼の顎に触れた手を離し、『で?いいニュースはよ』と急かしたらたちまちカジカとかアンコウみたいに下唇を突き出して不服そうな彼。

「っぱヤメだヤメだ!期待してたのにチュウしてくれないんだもん、いいニュースを聞くためにはここより先は有料となりまーす!」
『ンな有料ニュースサイトみたいなやり方してさあ~!』

どうせ有料ったってチュウして!だろ?しないもん、医務室前に誰か(きっと高専生の誰かでしょ)聞き耳立ててるし。そういうのを人前でするのは式でしたし。
唇と尖らせて「課金のお時間よ!」と小鳥を呼び寄せるようにチュッチュッと音を鳴らす駄目な成人男性に、笑い声の漏れるドアの外。

『……はあー、よし。多分一回チュウしても悟の事だから更にここから先は有料でーすってのがオチでしょ、分かりきってるわ、ンなもん。そんな時はワンページマン、ならぬ別の人に直に聞くのが良いよねー。
どうせこういう情報が集まるんだから伊地知さんか、学長、傑さん辺り当たれば良いっしょ』
「やー!そこは僕を頼るべきじゃん!ごめんって、情報のダムしてせき止めちゃって!呪術界のビーバーでごめんねごめんね~!
ほら、謝ったから許してくれるよね、ハ~イ、一件落着!」
『自問自答、自己完結マン…』

私の指をキュッと握る僅かな力の込め方に悟が騒ぎすぎだと片手…人差し指を口に当てて見せてシー、と声量を下げさせる。
ふざけた態度も落ち着いて、寝顔に視線を落とす悟は"いいニュース"をようやく口にし始めた。
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