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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第37章 繋ぐいのち、五条と春日の鎹


『はあー…息子、二人居ましたっけ?私…』
「ママーッ!僕と蒼空におっぱい吸わせ、」
『しねえよ???』

悟の冗談はともかく…。
普段は素顔かサングラスだからあまり泣かないのかも。悟がアイマスクをしてる時にあまり遭遇しないから一気に泣いちゃったのかもねー……。
そんな事を思ったものだからちょっとショックを受けて下唇を僅かに突き出す彼の顔を覗いた。

『アイマスクしてるからじゃない?ほら、皆目、鼻、口ってパーツがあるのにさ、鼻と口だけだもん。それは少しずつ慣らしていきなよ~』

アイマスクに目でも描いとく?それとも上に二〇加煎餅のおまけでも取り付ける?解決策を模索する前にそもそもの原因を自らするりと下げ、立てた髪がさら、と下がる。
拗ねた表情をした悟が顔を出したことにより、泣くのをぴた、と止めて私にしたように顔に手を一生懸命伸ばしてる蒼空。こっちの方が見慣れた姿だもんね…。
頬を差し出すと触られまくってる悟は安心した様で、その状態で私を目で見上げて唇を開いた。

「ふぅ…やっと落ち着いたねえ~……、やっぱGLGなパパの姿に慣れちゃったのかな~?奥さんに続きコアな顔ファンが着いちゃったねえ~…ンフフ」
『チッ…、ただの不審者スタイルだからでしょ。私でも初見で不審者と思ったわ』
「なんで嫁も息子も辛辣なワケぇ??そんなワケないよね?ねっ、蒼空?」
「うー!」

当然だけど話せません。その"うー"になんの意味があるのか分からないけど悟は頬ずりをしながら「どっちなのさ~!?」と蒼空に笑い声を上げさせて遊んであげているようです。

彼が抱っこしてくれてる間に安心してちょっと休める……と私はぐりぐりとひとり肩を回した。への字口な悟が息子に顔を触らせながら、もうひとつの椅子に腰掛け、そのまま顔を上げご機嫌なままの蒼空を揺すってにこ、と笑う彼。

「ところでハルカ……、いいニュースと悪いニュースがある。どっちから聞きたい?」

メリケン風に聞いてくるなあ…。座ったまま脚で床を手繰り寄せるようにキャスターで進んで悟側に寄り、機嫌良くきゃっきゃっと笑い始めた笑顔を覗き込む。
もー……すこぶるご機嫌じゃん!

頬をぷに、とつついて手を触ってくる様子を確認して私は悟を見上げた。
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