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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第36章 私達だけの世界


いつまでやってんだよ……と呆れつつ悟から傑に視線を向ければ訝しむ表情。視線が私に合って、彼は悟を見てもう一度私を見る。顎で悟をしゃくってる。
つまりはなにやってんだ、とか注意しろ、という合図。いつも悟がフリーダムですみません。

『そこの誤魔化しながら歌ってる幼稚園児、話聞く態度、ほら、あくしろよ』
「あ、ほら見て棘!これなんかどうかな?ヒトデがこれでもかってくらいに団子状に釣れて自撮りしたら背後でハルカが餌のイソメに噛まれて慌ててるヤツ!残像みたいに顔が伸びて輪郭分っかんね~!」
「めんたい…っ……おかかぁ」
『あ゙ん?なに撮ってんだ、ぶっころ……じゃなくて!仏の顔も三度まで、傑さんの笑顔も三度までだよ、そこの大仏様がもう残機ねえって顔してんでしょうが!殺されたいの?』

「……さり気なく私のこと大仏って言わなかった?ハルカ?」

笑顔に見えてその細めた目元を良く見たら笑っていない瞳が見てるって可能性とかあるでしょ。暗闇で瞳が赤く光りそうな、やらかしすぎて今にもぶち切れそうな傑。
てか、写真を広げるな恥ずかしい!と近くまでお店が広げられつつあった写真を片手で悟側に押しのけ、悟に向かい、傑を指差す……要件はあんただ、悟。

明らかに不機嫌です、と下唇が主張する中悟は静かに写真を片付け始める。

「……まあ、スマホは部屋に置いてきて見事な携帯不携帯なんだけど。傑、なんか僕に用があって来たんだろ?しかも急ぎときた」
「ああ。悟、というかハルカというか……」
「ハルカ……?そこでなんで彼女が出てくるわけよ?」

むう、と言いにくい顔をしてこの場の生徒たちを見回す傑は親指で背後……、談話室の外を指す。この場では言えないって事か、と理解して私は傑の話が気になって外に行こうと、椅子をしまおうと椅子の背に手を乗せた。

『……っと、私も写真…、ああっ!』

ガタッ、と勢いよく倒れた椅子。私の視線の先の一年生時代のクラスメイト達は悟に負けず劣らず机に写真を広げている最中でした……。
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