第36章 私達だけの世界
さも当然という、むしろ何怒ってるの?という表情で今もまた一枚写真を並べた悟。
「おかか…」という言葉から否定されてるのが分かりますね、ハイ。
「えっ、ベストショット決める為に厳選してんじゃん。僕がオマエに勝つからには妥協してられないし?」
『人前!!』
「ハレマエ?鼻チュッチュする所なんて撮ってたっけ?」
『駄目だこの人話が通じん、五条悟は宇宙人説……?』
頭を抱える中、その賑やかな談話室に新たにひとり訪問者がやってくる。それは生徒でも教師でもなく……。
コンコン、と壁をノックして注目する先、出入り口の壁をノックした腕を下ろすのは呆れた表情を浮かべた一人の男。てか、前髪を一束垂れさせた、悟のズッ友。
「全く……携帯を不携帯するとはどういう事だい、ふたりとも。随分と探したんだけどな……」
そう言ってため息をつき、腕を組んで叩いた壁に寄り掛かる傑。袈裟ではなく、任務や教師として活動している時の悟の服装に似た格好……私服、かな?
この賑わう談話室でふたり、というと名指しせずとも私と悟の事なんだろうって理解する。そして自身の部屋着をまさぐるも悟も私も部屋に携帯置いてきてるからもちろん携帯はない。
写真を机に並べる事を止めていない悟の方を見れば、サングラスの奥の瞳と多分だけど合い、やっとその手を止めて椅子から立ち上がってふっ、と笑う彼。悟は手を上げながら肩を竦める。
『……おい、そこ。ヴィンセントのマネ止めろ?』
「マント羽織ってないのに良く分かったねー?やっぱ以心伝心ってやつ?
僕らはフフン、以心伝心~♪フンフンフフフン♪フフンフンフン♪
……あ、これとかハルカに勝てそうな写真じゃない?」
堂々とした態度で三年や覗き込んでる一年生達に写真を見せて、それを見た乙骨は柔らかく笑みを浮かべてる。
「随分と幸せそうだから、同じシーンを撮って居なければ勝てるんじゃ無いんですか?」
「だよねー!五条悟流グラブジャムン、ここに極まれり……勝ったッ!第三部、完!」
『それ負けるフラグ立ててるんですが??』