第36章 私達だけの世界
「だから言ったろ?愛とは歪んだ呪いだって。僕は十分にオマエに呪われているさ。そして僕もハルカに歪な呪いを掛けている。死ぬまで愛すなんて生ぬるいモノじゃない、僕は死んでもその先までハルカを愛し続けるよ。
そう呪い合う為にこうして一緒に過ごして、子供作って…僕らはゆっくりと年老いて行くんだ」
胸元で響く声がたまらなく愛おしい。
最期の時まで、その先が人間がどうなってしまうのか分からないけど私もこの人を呪おう…なんて。
私をあやす手はさら…、と背中を大きく撫でた。
「……そろそろ寝ない?いっぱいえっちして疲れただろ?締めの朝風呂の為にも明日だけはアラームを入れたんだから、寝坊したら僕の乳ビンタするかんな?」
女性なら分かるけど男の乳ビンタってなんだよ、嫌だけど逆に気になるわ。
『はぁい、寝坊しないように寝まーす……』
顔を上げて見つめ合い、微笑み合った後に顔を近付けて、「おやすみ」『いい夢見なよ?』と触れるだけの口付けをして。
呪われた優しい拘束の中で私達は安らかな眠りへと落ちていった。