第5章 "好き"が止まらない!
はっきりと言った。
それに驚いた悟は小さく、そっか、と諦めるように肩を落として呟く。
「……まあ、そりゃそうか。僕、性格悪いもんねー…」
『自他共に認めるほどだよ。神が五条悟という男を作る際、収録内容に性格を入れ忘れたんじゃないの?』
はは、と私は小さく笑って終わった恋の相手に小さな反抗をした。たった今終止符の打たれた恋だった。次の恋は上手く行けば良いな、なんて。
今日の事を教訓にしてこれからは合コンの時も席を離れる時も警戒しとかないとって考え始める。
私の側の男はちょっとだけ口を尖らせてその後に優しく笑う。
「もしもの話をしていい?するね、するから2つほど。しっかりと聞いてね」
『なにそれ、拒否権ナシじゃん…』
指を一本悟は立てる。微笑を浮かべて。
「また恋人に戻りたい、表面上じゃなくて。そう言ったらキミはどう答える?もしもの話ね?」
答えはNOだった。遊びなのは変わらないじゃない。傷つくのは変わらない。
だから私は傷付きたくないから振ったんだ。問題は解決してない。
『イエスとは答えられない、ノーだよね。
それはそれで本気の遊びってことじゃない、もっと最低な方向に進んでるんだよ?だったら私、ちゃんとした恋愛が出来る人を探す、今日みたいに新しい出会いをさ、』
「じゃあ、もしもの話2つ目」
話をしている最中に悟は二本目の指を立てると、ピースサインとなった手。
さっきよりもにこにこと笑っている。
「僕がキミの事をマジで好きで、本気で恋人になって欲しいって言ったら?」
『………は…?』
「ほらほら~…もしもの話!」
な、にを言ってるの…?
そんなワケ無いじゃん、もしももしもって。ふざけてる?これも遊びなんじゃないの?だって、だって…ありえないもの。
信じられずにさっき悟が近付いた分…半歩下がる私。逃げに入ったそんな私の両肩を悟はがしっと捕まえた。引っ張られた時よりは強くはない。この軽い拘束を解きたいという衝動は私には起きなかった。
悟はらしくない真面目な表情へと変わっていく。聞かないわけにはならない。