第36章 私達だけの世界
……なんつーか。
夏休みだ!今日何して遊ぶ?みたいなな小学生男児の無邪気さを感じるな…、と目の前の彼に感じながら、対面していた私はのそのそと悟の横に移動し、寝癖がついてる自身の髪を手ぐしで整え、彼の携帯の画面を覗き込んだ。
悟は少しこちらに見えるように携帯を私側に傾けて見せ、画面にはいくつかサムネイルが並んでるのが見える。
太文字で遊園地だとか公園だとか川釣り、キャンプ、海辺の展望台…とこの周辺を遊び尽くししているレポート。東京都内とは違う魅力に詰まった田舎の自然と過ごした人達の面白さが溢れてる。
もちろん、温泉についてもあった、見覚えのある旅館の全貌が載っているし。
つか、今連泊中の所なんですけどねっ!
『へー……色々あるんだねー』
私をちら、と見た悟は隣の私にも見えるようにゆっくりと画面をスライドしてくれてる。同じ画面を見ながらにほぼアウトドアだとか天気に左右されるものを私達はじっと見ていた。
式を挙げたこの季節……ジューン・ブライド。一応、梅雨の時期だからね……、天気予報を見る限り今日は曇り、らしいけど。
一通り見終えた後に携帯画面ではなく私を向く悟。楽しそうな表情ですこと。
「なーなー、オマエは何したい?僕とのイベントスチル、どこから攻める?つっても好感度マックスだから数値は変わらずともいつだって特別イベント起こっちゃうんだけどっ」
『恋愛ゲーかな……??イベントスチル、じゃなくて写真って言いなよ』
青空で天気が良ければ大きな公園をのんびり散策したり、レンタル品持ってスポーツしたり出来たろうけど。曇りだしどうすっかな…と考えてふたりしてうーん、とハモらせている。
『……今日、曇りらしいけど。天気崩れたりしないかな?』
ふっ、と笑窪を作って笑う自信満々の表情の悟は自身を親指で指差してる。はいはい、無下限無下限。珍しくモサ…とした悟の寝癖ごと撫で回したら綺麗に寝癖無くなる……くっそー!羨ましい髪質っ!
「僕が居れば全て解決!雨でも雪でも雷でも!槍だってモーマンタイ!最強のオールインワン、五条悟君はキミの夫だってこと、忘れてはしないかい?」
『……真面目に不真面目デカイひとさとる??』