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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第36章 私達だけの世界


「きゃーーっ!乱暴する気よっ!えっち!」
『寝てる妻のおっぱい揉みまくってた人に言われたくないなー!』
「アンッ!ヤだ、感じちゃうっ!そこ、優しくシてっ!エロ同人みたいに乱暴にはしないでえっ~!ちくびっ、そこはイケナイ!イヤ~ン!」
『キッショ!昂ぶってんな、変態!鳥肌が立つ!』

手のひらは触れてしまってるけど、別に誰かさんみたいに乳首を狙って攻撃してないんですけどっ!
布団の中で暴れながら揉む・揉まないのくだらないやり取りをしているうちに、私達の体を隠す掛け布団はずるずると悟側へとずれていく。
私の少し着崩れした浴衣姿が部屋に晒される頃まで意味不明なやり取りをし続けた後に「よし!」と気合いを入れた一言。彼は掛かっていた布団をばさっ!と退かした。

『おやぁ?もう降参かなー、悟くーん』
「降参、降参!もうしません!だから僕の揉んじゃ、めっ!」

はははっ!と笑って腕枕のまま、空いた片手で胸から私の頭上に移動した大きな手。雑に撫で回してから私の首からそっと引き抜く腕。
悟と共に私も体を起こして敷布団の上に座り直す。いつまでも寝床でやってられないもんね、せっかくの一日を布団の上で怠惰に過ごすなんて、そんな新婚旅行をお婆ちゃんになった時の走馬灯に流したくないもん。

「割と田舎にこうやって新婚旅行にきたんだけど、今日のキミは何をしたいかな~?」

『……ん?今決める系なの?』

思い出の沖縄とかもいいけれど、ここは海も山もあるとある県の温泉地の旅館。
何をしようって、この新婚旅行…、特級呪術師である悟にはたっぷり休んで欲しくて、私ものんびりとしたくて。その休暇の中で思い出が作れたら。
ふたりきりなら温泉入ってぷらぷら歩ければ良いや、くらいに考えていたけれどさ?
だからプランは特に決めていなくて首を傾げちゃった。眠そうにふあ、とあくびをしてゆっくり瞬く悟の瞳。一日程度じゃ疲れは消えなかったのかなあ……。
柔らかく笑みを浮かべて携帯に手を伸ばしてる。

「うん、帰る日まで毎日ふたりで決めようぜ!ちょっと待ってろよー、この辺で遊んだ人らのおすすめを検索するからね~…」

そう言って、携帯片手でタプタプと検索してるであろう彼は笑った顔で静かに調べ物をしてる。
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