第36章 私達だけの世界
350.微裏
感触を確かめるようにむにむに…と何度も胸を揉まれる感覚で夢から醒め、目を開けると寝る前と同じく悟の腕を枕にし、私の浴衣の中に手を突っ込んだ悟が片手で胸を揉み続けながら笑っていた。
……朝から人の乳をスクイーズのようにして遊ぶな…。
瞼を開けた瞬間から自然現象の朝の容赦ない明るい光と、目の前のキラキラとした笑顔で目が潰れそうなくらいに眩しい。片手の手の甲で目を覆うようにすれば温かい手が私の手首を掴み下ろす。隠させてくれない…目が~目が~!
小さく笑う悟は、横になった私の天井側の片胸を掴んで揺らす。
「おそよーさん!」
『……おはよ…、はれ…?めざまし……』
確か昨日アラーム掛けたんだけど。いつ鳴ったのかな…。
確認しようと携帯に手を伸ばしかけた所で、彼はそのアラームの疑問に答えてくれました。
「別に時間に縛られないんだからいいだろ?朝のイチャイチャタイムを邪魔されたくなかったから僕が全部切っといたよ」
なんで目覚まし切ってんの。
用事が無くたっていつものように起きて、のんびり出来たのにさ?
横を向けば薄く笑った悟が左右の胸を一人忙しそうに交互に揉みながら「アンディ!フランク!」って裏声でなんか言ってた。片手でありながらむにむにと揉む姿は母乳を吸う子犬や子猫が揉む、または甘えるような姿に完全に一致。
でもさ、その言葉(人名)は不一致なんだよ!
私は生乳(なまちち)を揉む彼のニヤケた表情を少し睨んだ。
『ばっか、それは胸筋だろ!だったら…、』
にや、と笑った後に私は両手をわきわきと動かし、こっちから悟の少しはだけた浴衣に手を忍ばせた。余裕持って私の胸を揉んでた彼の手が浴衣からすぽーんと引っ込む。
『こっちが正真正銘のアンディとフランク、でしょ!』
「ああんっ!」
むに、と私とは違う感覚の胸。その私が揉んだ手を退かそうと掴んでは離し、私が悟の胸を揉めばまた掴んで離す彼。
朝から私達は何やってんだろうね……、でもやられたらやり返しとけって母さんが良く言っていたし、揉まれたんだ、こっちも悟の胸をじゃんじゃん揉み返さなきゃね!力を入れないリラックスした彼の胸は意外と柔らかく、私は悟の胸をむっちむっちと揉みしだいく。結構、マッチョメンの胸揉むのきもちいかもー!
仕返しのつもりがご機嫌に、そして本気でふざけてる悟。