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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第35章 縛りの儀


情緒不安定か?というくらいに鼻や口を抑え、めそめそと落ち込むフリをしてる悟……はいはい、理由を聞いてって事でしょ。全くこの人は構ってちゃんなんだから、彼の行動すべてを無視しないで飴と鞭の使いよう……、定期的に構ってあげないとね。
悟の肩にそっと手を乗せて優しく揺する。人にはデリケートだとか配慮出来ないクセにこういう時はデリケートだったりするし。優しく揺すって、撫でてやってさ……。

『どったの?何が悲しいのかな?悟君?』
「ちんこの話は今は止めて……」
『……隠語の方じゃねえんだわ、どしたの?悟』

いっつも五条の悟君とかいうからか、今回の呼び方を下半身の事だと勘違いする悟。いや、勘違いってかワザとなんだろうけど。
さっきよりも間隔を短く揺すった。

『で、がっかりしてめそめそしてどうしたんだい?』
「……太陽みたいに笑う僕が見たいの?」
『WOW♪WOW♪……じゃなくって。いや、違わないけどっ』

忍者の話してるわけじゃないけれどさ。揺すった手を止めると悲しむフリを止めるも眉を下げたまんま。しょんぼりして庇護欲を掻き立てるような、子犬みたいな顔をしてる。

「奥さんのそういう猫チャンみたいな甘え方に弱いの、僕は…」

『……閃いた』
「通報した」

即答で返してくるなあ……、と笑顔に戻った悟から手を降ろす。なんだ、そういう事だったんだって。
弱い、つまりは弱点だっていうならば慣れるくらいにしたっていい。
私も悟とのキスには慣れなくて、初めの頃はいつもドキドキして、顔が熱くて、とにかく恥ずかしかった。だから、悟にはもっと甘えても良い……、これからは甘える機会を増やしても良いんじゃないの…?
サングラスの奥の瞳をじっと見つめた。

『人前で、今日の式みたいなディープキスとか、ガータートスみたいなのは嫌だけど。ふたりきりの時なら……、その。さっきみたいに甘えても良いかな?』
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