第35章 縛りの儀
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式も無事(無事ってなんだっけ…)終わり、その後の披露宴も終わってお開きとなって……。
私はウェディングドレスから私服に着替えた後に、悟の心配だからという事と今まで皆に紹介出来なかったという理由で、彼が同行した状態での昔からの友人たちとカフェで久しぶりのお喋りをした。
実際悟と会って、控室に来れなかった子やまだ見た目にキラキラとした視線を向けていた友達らも彼の言葉や行動でゆっくりとチベスナ顔へと変わっていく。流石性格を与えられなかった男。しまいには「あんた騙されてない?」と心配もされちゃった。
最初から性格についてを承知した上での結婚だし、一緒に居たいと覚悟を決めてるから子供も作ったようなもの。彼のこういう内面も当然、受け入れております、ハイ…。
『大丈夫、性格については重々理解してる』
と頷き、サムズアップしてみたら生暖かい目で「ソッカー!」と皆に頷かれてしまった(そして悟が皆酷くない?と騒ぎ出すってね)
しばらく合わなかった分のお互いの近状状況や、思い出を語り合い、数時間で私の当時のスタンド攻撃(特に兄貴)によって解除されてきた恋人関係の話を始められた所で悟の耳がでっかくなって、友人達に食いついて行くので、まだまだ話足りない中だけど友人達との集まりを切り上げた。
……一度元カレに遭遇した時も悟は苛立っていたからね…、今度は何をしでかすか分からない。別に進展があったわけじゃないし、詳細を聞かせる事や連絡交換する前にマンションへと早々と帰ってさ。
荷物のたくさん詰まったキャリーケースを引き、新幹線へと私達は急いだ。
以前に結婚式が終わったら、そのまま新婚旅行に行こうと言っていた彼。想定では一週間って言ってたけれど、最近の任務状況に左右される。彼の交渉次第なんだけどまだ私はこれからどれくらいの休みをもぎ取れたのかを悟から聞いていない。
ホーム内で新幹線を待ちながら隣の悟を見上げる。わくわくしながら、どれくらいの休みが取れたのかを彼の口から早く聞きたくて。
『ねっ、ねっ、どれくらい休み取れたの?』
ん?と私の言葉に微笑み人差し指を口に当ててみせる彼は瞳を細める。
「旅館に着いたら発表致します、それまでは……ひ・み・つ♪」
『カーッ、引っ張るね~?』
「引っ張るでしょ~?年末年始の特番ばりに引っ張るよ?僕は。楽しみは取っておきたいじゃん」