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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第35章 縛りの儀


「……We are gathered here this、」
「いつものボビーオロゴンみたいな日本語で喋れよ、ここは日本だろーがタコ!」
「ワァオ!……チッ、コレダカラ日本人ハ…、」

ミゲルが声を張り上げ新郎新婦へと問いかけを始めた所で、悟になにか(スネ辺りに物理攻撃)されたミゲルが少し屈む。「日本語にしろ、スピーキング・ジャパニーズ!」と突っ込まれると彼は英語を仕方なく止めた……。
特に注意もなく神父をしろって言われたのに…と理不尽そうに、先程の片言な口調で言語を変え、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時もと並べていく言葉。

その誓いの言葉の前の長いカンペの中で隣からぼそり、と悟が「妻のみに寄り添うって、僕はハルカ一筋何だけれどなあ…」と呟いていた。
昔は一途じゃなかった彼。それが一途になってくれる嬉しさ。
……もしも?そんな事、許さないかんな??

私は悟に『浮気したら市中引き回しの刑ね』とその言葉に小さく返しておいた。願わくばこれらとさっきの悟の脅しが誰かの動画の中、音が拾われていませんように…。

ミゲルは開いた聖書(カンペ)を読み上げてる。

「──神聖ナル、婚姻ノ契約ノ元ニ誓イマスカ?」
「誓います!」
『(……即答&声量!)』

この人の声帯のボリューム壊れてんの?と付近の人間に配慮の無い大音量に鼓膜がビリビリする。少しばかり悟から斜めに離れようとした所、くい、と軌道修正するように引っ張られる腕。再びの密着。
……距離を取るのは駄目みたいです。

ミゲルの眉間に皺が寄った。小さく「煩セエ…」と言った事、私は聞き漏らさなかったもんね!

「汝ハルカハ、コノ男サトルヲ夫トシ…、」

なんやかんや文句は言いつつも、このミゲルという男は仕事を依頼されたら最後までやり遂げるタイプなんだろうなあ…、ときっと急に牧師役を頼まれた彼に感謝をしつつ、私への問いかけに入ったミゲル。聖書と問いかける私を交互に見ながらにふたりのこれからに起こりうる障害を押しのける事や愛していけるかという言葉を進めていく。

「愛ヲ誓イ、夫ヲ想イ、夫ノミニ添ウ事ヲ、神聖ナル、婚姻ノ契約ノ元ニ、誓イマスカ?」

『……はい、誓います』

声は小さかったかな、普通であれば良いけれど。先程の悟の大音量の誓いを聞いた後じゃ私の言葉は小さくも聴こえ、また震えたように自分でも分かった。
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