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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第5章 "好き"が止まらない!



「げぇって何?都合悪かった?
いやあ、ハルカの姿が見えたからさー、ほらほら、明日も早いだろ?帰るよー、部屋まで送るから」

『……ウーロンハイ、飲んだら勝手に帰りますので。お気になさらず。おひとりでお帰り下さーい!』

注文して来たばかりで一口も飲んでいない。それにわざわざ合コンの場に来て邪魔して笑いに来たんじゃないのかな、この人は。女の子3人居るしさ!ついでにかっさらってこ!とか両手と胸に花とか言いかねない。
──そんな事になったら、私は……。

胸に秘めた想いを隠し、グラスを再び持ち上げた時だった。
悟は私の手からウーロンハイを引っこ抜いて、目の前の席のチャラ男2号の前にガン、とやや乱暴に置いた。乱暴だから中身が傾いてちょっとテーブルに零してる。大きな音だった事もありチャラ男2号は肩どころか体全体でびくっ、と驚いている。
そんな彼を見て悟は鼻でフンと笑った。自身のサングラスを少しずらすと蒼眼が露わになって周囲からきゃあきゃあと黄色い悲鳴が湧いた。

「キミにあげる。飲めるよね?きっとキミは僕の彼女の身を案じて"栄養剤"でも入れてぐっすり眠れるようにしたんだろ?」
「あっ…ッス、ははは…」

なにやら不穏なやりとりだなぁ…。頬杖を突き乱入者がかき回す合コンを傍観者側になって見てる。
苦笑いしてぺこぺこと頭を軽く下げるチャラ男2号君。悟は財布を出して私の側から友人の元に行き一万円札を一枚出した。

「彼女は僕が連れ帰るからこれ彼女の分のお会計ね。お釣りは要らない。
今日はハルカが世話になったね……、でももうこういう場に誘わなくて良いから。もう彼女、連れ帰るよ」

「ぁ……ひゃい……っ」

友人が乙女になっている姿を見てしまった。耐性無いとやられるよなーこいつには。
…と眺めながらお冷をを手に取り飲もうとしたら、手から凄い勢いでグラスごと吹っ飛んで床で粉砕する。ほろ酔い気分はあっという間に醒めてしまった。
滑ったというか吹っ飛んでいったのは決して私のせいでという訳じゃない。手が震えたとか滑らせてとか酔ったとかそういう次元じゃなかった。きっとそこの黄色い悲鳴を上げさせてる原因の人物の術式だろうな。
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