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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第35章 縛りの儀


「ごめん、眠いわっ!膝貸して膝!枕が欲しいんだな、悟君!」
『えっ、あ…ちょっと……!』

タイムリミットがやってきた彼は、隣で大人しくしていたのを止めてもぞもぞと体勢を変える。眠くなったのかいつもの部屋でのように座る姿勢を崩し、「よいしょ」と言葉を漏らしながら私の正座する太ももに頭を乗せ、枕にした後寝息を立てて静かに眠り始めた。
賑やかな会場内でそれに気が付く人は高専の生徒達や五条家の人達。視線がなんともにやにやしてるんですよねぇ…。

まあ…うん。吐いたりするよりはマシか…?と安心したと同時に獲物を見つけたと楽しげな表情の真希が携帯を握りしめ急ぎ足でやってくる。来たな、パパラッチめ。多分、今から撮られるものは学生間にLINEで"号外"として回されてしまう結末よ……。

「カーッ!場所も弁えずこういう時でも見せつけてくるねえ~!」
『そのつもりじゃないんですが~…』
「見せつけ、だろ?私だったら膝から引きずり落とすし」
『(それはパイセンが悟に好意を持っていないからでは……?)』

カシャカシャと連続的に鳴る音。その後タプタプと操作してる所を見ると、多分真希はLINEとかで酔っ払った羽織袴の悟が色打ち掛け姿の私の膝枕で寝ている姿をここに居ない人達に回してる。真依も撮りに来て双子して何を撮ってんねん……。
膝の上の彼は夢の中、騒がず大人しいから良いけれどさ…。起きてたら余計なことしてたな、高専一番のトラブルメーカーは。

皆のお膳から料理が無くなっていき、甘い和菓子が締めにやってきて、歓談も終わりが見えてきた。ここまで来ればもう安心か、タイミング的に…。
寝ていたという事もあって悟にお酌する人はおらず助かったのは良いけれど。その動けない状態の私達は姉妹以外にも格好の被写体となってしまった。

式を延長しようって余計な提案をする人物もいなく、式は予定通り定刻内に無事終了へと向かう運びとなったけれど。
片付けなどをする会場にこのまま膝枕のままで居るのは流石にねえ……。

「オイ、悟を部屋に運ぶのオマエが手伝ってやれ。この前ハルカに迷惑掛けたろ?」

この室内で誰よりも酔った大きな声。
声の掛けられた人物は自身を指差し「俺ぇ?」と困惑してる。以前に迷惑を掛けちゃったからなあ…、と私が小さく会釈をすると離れた場所に立ち上がった人物は渋々と私達の元へと近付いてきた。
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