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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第35章 縛りの儀


「はー……ぶっつけ本番に見なくて良かったわー、僕だけの花嫁、ハルカの一生モノの白無垢姿なんて見たらこれまでの走馬灯見えちゃったもん、アレだよアレ、結婚式の余興みたいな、スライドショーを僕の脳内で見ちゃってたわ!」
『なんで式で死ぬんだよ、明日もあるのに今日の時点で未亡人にさせないでくれます?明日を葬式にしたいの?』
「あらま、キミ、上手いこと言うね~?」

立ち上がった彼は畳にあぐらをかき、そのまま座ると私を見上げて真剣な顔をしながら語りだす。その間、私だけじゃなくさっきの悟の大げさなヤムチャスタイルで崩れた衣装をてきぱきと直す、竹と梅。

「ハルカ、例えトイレに行く時でもひとりになっちゃ駄目ね」
『うん、昨日から耳にタコ出来そうなくらい聞いてるから守るよ?ひとりにはなりません』
「宜しい!……罵声、もしも飛んできても徹底的に無視。セクハラ発言も同じくね?アップデート出来ない古い人間はそういう事さえずるの大好きなんだから、キレて武力行使とか玉砕きとか死ちゃダメだよ?」
『うん、分かった。私そこまで脳筋ゴリラじゃないから心配しなくても我慢します』

白無垢の花嫁姿で彼に向かってびしっ!とサムズアップする。
「ん!」と笑った悟も同じくサムズアップして、お互いにその指の背を、拳を付き合わせるように合わせて。

「堅苦しくて年寄りばっかで絵面がキッショイかもだけど、今日はお互い頑張ろうね。僕らの本番は明日、今日はただの呪術師としてのお披露目って事で」
『ん、悟もね。失礼なことしちゃ駄目だよ~?』
「うーん…どうだか!でも僕なりに頑張ります」

ふっ、と笑った後に先に悟が立ち上がり、私の手を取って立ち上がらせる。
……そろそろ時間。"家"として、"呪術師"としてのお披露目とはいえ、今日の式も一生モノの思い出のひとつなんだ。私も彼も家の代表として共に手を取り合って頑張らなくちゃ、とその控室の三姉妹に軽く頭を下げ、私達は手を繋いで予め呼ばれていた場所へと向かった。
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