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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第34章 その男の名は……。


『おーい、任務どうした、任務』
「ん?僕はデキる男だからね~…、チョッパヤで終わらせてやったのさ!ンフッ☆」

組んだ脚を解き、傾けた体…デスクで頬杖はそのままで。退屈そうにふあー…、とあくびをしてる悟。
任務で疲れたのか、刺激がなくて暇してるのか……。とりあえずは肘を乗せてるそのデスクに事務室から持ってきた荷物をセットしたいんだよね。

『それはお疲れさん。あ、そこ、デスクにパソコン置くからお退きなすって?』
「おっと、なんか手伝う?僕に出来る事なら何でも手伝うけど?」
『特に無いでーす』

ガタ、と悟が椅子から立ち上がって退き、私がデスクに鞄を置いて中身を出し始めていると、側の悟はおろおろとしてる……デキる男、うろたえてどないしたん。
電源を確保して閉じたままのパソコンの上に取り出した書類を一度置いて彼を見た。両手を挙げかけた彼は口を少し開けていて直ぐに閉じ、アヒルのようににゅっと突き出た唇。

「……事務、終わりそう?」
『んー、さっきは集中できなくってさー…』

えへへ…と首の後あたりを掻いてると、アイマスクをした彼。目元を晒さない代わりにジェスチャーで感情をうざったいくらいに表現をする。両手を拳に、顎下でぷるぷると動かして……まあ、いかにもぶりっ子を演じてます、という具合に笑顔の悟はテンションを上げている。

「もしかしてだけどーもしかしてだけどー……オマエのお腹のエケチャンが動いてたからなの~、とか?」
『……なんで分かんの?エスパー?』

彼の顔を見ながらに、持ち運びに使ったほぼ荷物の重みも無くなった鞄をデスク横に立て掛けて置いてさ。
悟は親指で自身を指し、ダブルピースをキメる。ちょっときぐるみの感情表現やピエロにも似た大げさすぎるよ…。

「だって僕、キミを愛し、キミに愛される旦那さんだから!きゃっ☆」
『……ウン。元気に今日も動いてたよー、小さいくせにお腹ん中じゃ狭いんだろうねえ……目の前に居る誰かさんみたいに暇なんだろうね~』

とりあえずは荷物も運んだし、いつでも医務室で仕事に取り掛かれる状態。今は彼が居るから作業したとしても確実に邪魔されて仕事が出来ないとみた。無理にしません、進まなくてストレスになるし。
悟が怪我人用の椅子に座ったのを見て、私もデスク用の椅子に座る。さっきまで彼が座っていたから悟の温もりをお尻に感じて。
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