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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第34章 その男の名は……。


そんな最近の爆笑した出来事を思い出す。今日も二世は元気だなあ、と再度キーボードをパチパチと叩きながらデータ入力を進めていれば私の携帯が机の上で震えてる……医務室に呼び出しかな?
作業の手をまた止めて携帯画面を見れば家入硝子の文字。休憩したりお腹の中での元気な報告を感じたり、硝子からの連絡って事務の仕事が全然進まない。

"お疲れ、今電話大丈夫?"
『お疲れ様です。大丈夫ですよー、』

とりあえず今の時点で入力したものを保存していつでも中断出来るようにしながら、片手の携帯から聴こえてくる硝子の話に集中してる。
机にはいくらでも紙とペンがあるからメモだって出来る。とりあえずは座ったままに、片手は顔の横へと携帯を押し付け、もう片手はメモがすぐに出来るようにして……。

"今から京都に大至急向かわないといけないんだけど、私が帰るまでハルカに医務室に居てもらって良い?"

『大丈夫ですよー、なら事務で途中の仕事持ち込んで医務室で待機してますか?』

可能な限り、治療を優先しろ、という事で硝子が居ない間、もしも誰かが怪我をして医務室に居ますと連絡が来たとしよう。
ダッシュで向かう手間を考えれば、医務室で待機しながらパソコンとにらめっこしてれば良いってワケよ。怪我人も待たせず、私も作業も捗る…一石二鳥ってワケね!
硝子は電話越しに「助かる」と笑っていた。

"可能な限りはね、そうやって待ってくれれば助かるよ。あっちでの仕事具合に左右されるし帰りが遅くなるようなら私は向こうに泊まり込みになるから、その時はハルカに連絡するし、呼び出しがなければそのまま部屋に帰りな"
『はい』
"あんたの保護者にもこの事伝えとくから私の留守をハルカに任せた"
『はい、任されましたー…留守はお任せ下さい!』

ペンを机の上に放り、電話の向こう側の硝子に見えないってのにぽんっ、と自身の胸を片手で叩く。新田が見てた、視線が合った。やっべ、思わず顔を伏せつつその片手で口元を隠しつつ。

『で、硝子さんが緊急で行くとなるとまたでかいイベントでも京都で行われてるんです?』

ハロウィンとかクリスマスとか。ゴールデンウィークだとか。あれは動かせない一般的なスケジュールで呪術師達が慌ただしく非術師達の水面下で活躍するレイドイベント。
緊急、となると事件や事故があったのかと勘ぐってしまう。
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