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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第34章 その男の名は……。


337.

六月に入り、天気がよく崩れるようになってくる時期へと入った。南の方じゃあもう梅雨入りしたとか天気予報でも既に言われてるけど、あの洗濯物がなかなか乾かない、髪のケアも普段よりも丁寧にしなきゃいけないうっとおしい季節がそろそろ来るのかぁー…。

今の私は呪術師としてではなく私生活が忙しい時期。
残業もあるしあまり家事に手間を掛けたくないんだよね…、と事務室でパソコンを前にして窓の外を見る。サボりじゃないよ、こうたまに外を見ることで目を疲れないようにってのと適度な休息が必要なんだもん。

──雨、続くと洗濯物が乾かないんだよな~……寮に持ってくるべきかな、乾燥機。
マンションの方では部屋干ししても除湿をしてくれるから生乾き臭がしないんだけどこっちだとそうもいかないんだよ…。
そんな事を考えながら、私は窓の外から体の前で途中まで入力していた画面に視線を戻す。引き続きパソコンに報告書などのデータを打ち込んでいた。

『(おっ……?)』

作業再開してすぐに手を止める。腹部の中でごそ、と動いたような小さな感覚があった。
このタイミングってわけじゃないからなかなか体の外で手を当てて今から動くぞって確認が出来ない。そもそもあの、消化の際にたまーに感じるお腹がゴロゴロしてる時みたな感覚に近いもの。あれってくるぞ…って予兆がないから触れて分かるものじゃないんだよね…。
たまにあるその現象を調べてみて、この時期に感じる妊婦さんも居るんだって、と一昨日悟に報告した。彼は目をキラキラとさせ、「お腹触らせて!」とはしゃぐもいつあるか分からないもの、ちっともその瞬間に出会わず。ふてくされて最終的に「どうせ腸の蠕動運動だろ~」と彼がトイレに行った隙とかに狙ったかのようにむず…、と動いてる気分屋のお腹の子。

そして悟がトイレから帰ってきた時に『さっきお腹の赤ちゃんが動いてたよ』というと悟が悔しがり、床に拳を叩きつけてる時にざまあ、と言わんばかりにお腹の中でもぞ…とまた元気に動く。それをすぐに報告するも悟がお腹に張り付けばピタリと動くをの止めるっていうね。

……やっぱ悟の子だわ。生まれる前から人を振り回して喜んでる。嫌がらせを胎教のように父親から吸収しているんだ…。
やべえ悟ジュニアとして嫌がらせのプロにならないように、生まれたあと嫌がらせはしてはいけませんって教えてあげないと。
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