第34章 その男の名は……。
頼るならちゃんと頼らなきゃ……。
自分で出来ることはするけれど、なにも危険に私だけで立ち向かうべきじゃない。
より強固に張り付くように、肩に回された腕だけじゃなく私自身も悟の首に腕を回して引き寄せた。「おっ?」と少しだけ期待したような悟の声が漏れ出てる。
『じゃ、私からも頼んどこ。気を抜かずに私の事、守って下さいって』
ふふ、と笑うと少し開いた唇に三日月が現れる。随分と自信満々な三日月ですこと。
「もちのろんよ、僕の大事なものが傷付かないように守り抜くから。だから守りやすいように、ずーっと僕の側から離れないでよ?」
『ん、頼りにしてる』
キスしよう、なんて言わずともその気になる。互いの唇がそっと触れる口付け。ちゅっ、と耳に僅かに届く音。ゆっくりと離れて微笑んだ後は止まった日常が時を進めていく。
にっこりと笑う悟は置いてたコントローラーを持ち直してたちまち強張った空気を柔らかくしていく。気合いを入れるように、ふんす!と鼻息強めに「長男なんだ、お腹の子の名前…、炭治郎って命名は譲れねえぜーっ!」とテンションを上げてマリオなパーティーを続行していた。
なお、最終的な結果で彼は三位で私は二位。
相手よりは上だったという事もあり、私は子供の名前リストから明らかなキャラクター名をリストから削ぎ落としておきました。