第5章 "好き"が止まらない!
"今日、あの子は友人の誘いで合コンに行ったらしいんだ。可哀想に、失恋を埋めてくれる新しい出会いを求めているんだろうな~…何やら五条が来ないようにって言ってたんだが……行くなよ?お前。絶対に"
行くなよ、お前だなんて言われても、そんなの行くしか選択肢が無かった。
大声で笑っちまいそうなくらいの表情を片手で押さえ、出来るだけ冷静であろうと僕は務める。
「……硝子も悪いやつだなぁ、結構オマエ、ハルカの事気に入ってるだろ?いいのか?そんな行けと言ってるような警告をさあ~」
電話の向こうで小さく笑ってるのが聞こえる。確信犯だ。
"面倒くさいだけだ、どっちもタイミングが悪すぎて見ていてイラつく。五条、これは貸しだからね"
「へいへい、じゃあハルカが行ってる合コンの場所教えてよ、迎えに行かないと行けないからさー」
硝子からハルカがのこのこと向かっているであろうバーの場所を聞く。
僕はハルカから没収したことのある飴を剥き、かろん!と音を立てて口に入れた。