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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第34章 その男の名は……。


『ほー…、いつも貰っちゃってすみません!……へへっ、悟に全部食べられないようにしよ!』

「……ちゃんと五条悟を躾けておけ」

『ははは…、簡単に躾けられたら苦労もしませんよ~……』

呆れたような声色にためらいながらもそう返しつつ。
悟は甘党、甘いものに目がないのだからしょうがないんだよねえ……、単独で見つかったら全部食べられちゃうから、ご飯の後とかに出して一緒に食べようかな。
箱の中身が楽しみになりながらも、お土産から次に渡されたはがきをじっと手元で見る。

──それは六月の結婚式の招待状。
四月に入る前から悟とたくさん話をして、二回に分けたものの返信用のはがき。

なんで二回、というと一回目はあまり時間を掛けない、呪術師としての…いや、五条としての御三家や上層部を絡めた白無垢スタイルでの式。
堅くきっちりする予定で彼も「断言するけどカッチコッチステーションだよ、ふざけない分つまんないかも」との事。呪術に関する事もあり、こちらは私の父や兄などは呼べるはずもなく……呼べるのは呼べるよ?私の我を通せば。でも呼んだとしても非術師であるし、馬鹿にされる。
身内を馬鹿にされて友達も呼べたとして馬鹿にされて……そんな式はより一層、御三家だとか呪術界に踏ん反り返る人達が嫌いになるだけだから、私は家族が傷付かない方を選んで白無垢は写真のみ後で見せるって事にした。

そして二回目となるドレスを着てでの式は、私の家族や友人、また野薔薇達や先輩方…高専関係者などが居る賑やかな式を予定してる。
こっちに関しては「絶対に楽しくて忘れられない結婚式になる方ね!」と悟が随分と気合を入れてる、二回目の方。割と自由に、そして私もこっちの打ち合わせには何度か参加してた。
もちろん、一部の高専関係者だとか御三家……学長だとか、伏黒とか真希や真依、加茂など両方被る場合は一回目と二回目のはがきを出しているよ?

招待状は東京の高専、もしくはマンションのポストに届くはずで、丁度私が京都に来てる間に続々宛先に届いていたみたい。
受け取って見ればその招待状は二枚重なっており、ふたつとも丸が付いている。その箇所はそれぞれ別の文字に丸が付いていて、京都の学長は上層部含めた堅い方は参加で緩い方は不参加で……。
顔を上げると学長は私の持つはがきを指差した。
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