• テキストサイズ

【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第34章 その男の名は……。


328.

春日家の悪習だとか特級呪物があった事だとか、そういう詳細を省きながらも"春日家にコトリバコが封印されて保管されていた、そして回収不可事態の発生の為呪物を破壊した"と報告書で上げ終わって。その日の業務を終わらせ、ようやく京都校の仮の寮へと戻る。

本当に一日が長かった。とっても長くてまるで三日くらいを今日に圧縮したみたい……。今日、移動だけでも疲れたのに考えさせられる事や呪力大放出だもん、そりゃあ一日にイベント詰め込まれた日、長く感じたわけだわ!

『はあー……』

ぺたぺたと重い体で進んで、キッチン側の椅子を引き、腰掛けて背もたれに寄り掛かる。疲れた。腰から根っこ生えてここからしばらく動きたくないかも。今日のお風呂は良い入浴剤入れたろ。
洗面所に居る悟が手洗いうがいを済ませたらしく、アイマスクを取って指先でぐるぐると回しながら向かってきていた。

「おつかれサマンサ!どうせ休むなら椅子じゃなくてベッドにすれば良いのに」

『んー…、ベッドってねえ……寝るってほどじゃないんだよねえ…』

「いや、まだふかふかしてるからいいじゃん?エケチャンもママにはちゃんとした所で休んで欲しいって僕に同意してると思うなー?」

……いつ相談したねん。
すっ…、と片手で下っ腹に触れて悟の方を見れば、アイマスクを回すのを止める。遠心力が無くなりそのままへた…、と手首まで下がっていったアイマスクが袖で引っかかってた。
サングラスも掛けていない、表情を曝け出す彼は、あ…、という思い出したような顔をしてる。直ぐに笑顔になったけど。

「そういえばさ。妊娠して一定の成長を済ませた春日家の女性が行けば領域内でご先祖達が性別を教えてくれるんだってね。性別が分かるのはありがたいね~!
その受け継がれた女系の血で分かるのかな?僕には六眼をもってしても性別までは分からなかったからびっくりだよ」

私も悟も今日驚いた事の一つに上がる、お腹の子の性別の判明。
本当なのか?と疑うにも体内の血液で分かるという事。子供は子供で別の血液が流れていると思うんだけれど……と、よくよく考えて見れば、女であれば私側の術式が受け継がれるのだから春日家の血が流れる、と分かるんでしょ。男だったらこの呪いの血は流れず……、影響は悟側の遺伝を優先されるとか。だから血で判断出来るというなら納得出来た。
/ 2273ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp