第33章 これは終わりではなく始まりの刻
『……そんなにカウントしたいなら、ここに居る誰かにレフリーしてもらって地べたに伏せてカウントしてもらおうか、ん?真面目に出来ないならここでテンカウント、いっとく~?』
いつまでもここでボケをツッコんでいられないとさっさと立ち止まった悟を引っ張らないといけない。飴よりも鞭モード強めにしておかないと。
まだ手を出していないのにすっ…、と彼は距離を取る。まだ提案の段階なんスけど……。
「やー!それおイタの時間じゃん!痛いの僕、嫌なんですけどっ!」
「すぐにアンタはふざけるんだから!空気を読んで真面目に出来ないの!?」
『はあ……これ、大丈夫かなあー…』
不安な中、シラフな酔っぱらい含む私達。
私がそっと両手を合わせ指を組み、静かな森の中に佇む春日家の庭から領域へと転移をしていく。
森の中でも見上げればそこはぽっかりと開いた穴…澄んだ青に時々雲が流れていく空。それがあっという間に不安を煽るような朱に染まった。
ああ、久しぶりだなあ。ここに来るのは四ヶ月ぶり。
周囲を囲む彼女達を見て私達はこれより春日家の闇を暴いていくんだと気を引き締めた。