第33章 これは終わりではなく始まりの刻
「いいや~?呪術が使える訳じゃないんだし疑うワケないじゃん、ただの確認さ!龍太郎自身に異常がなければ僕の疑う呪いの原因はもはや確定かな、と」
「もったいぶるわね~…スパッと結論出しなさいよ!」
机をパァン!と叩く歌姫。おそらくだけど、特番で正解はCMの後!にもやってそうな態度よ……。
歌姫により急かされた悟は「へいへい」と肩をすかす。
「この様に野次も飛んでまいりましたので結論、悟君により出しますね~、和製シャーロック・ホームズこと五条悟の貴重な推理シーン」
『御託はいい、はよせい』
口を小鳥のごとく尖らせ、ひとり「皆せっかちさんなんだから……」と残念そうに呟き真剣な顔へと早変わりして(やっと真面目になった、のかな…)隣の部屋、龍太郎の寝室を指差した。
「単刀直入に言うと……春日家の主の間、その畳の地下。そこに呪物が封印されている。おそらくはコトリバコだ」
しん…、とした室内。ただ私の無意識な心の声の『は…?』という言葉だけが自身の耳に入ってきて、彼の言葉をもう一度聞き直したいほどに、その言葉が信じられない気持ちになってしまっていた。