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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第33章 これは終わりではなく始まりの刻


ゴト、と彼女の机にお土産を置き、その側に東京kらのお土産です、お収めくださいとかメモ書きを置いて。
立ち去ろうとした所で歌姫が戻ってくる姿を見た。彼女の背後には数歩遅れて少し疲れている顔したマリアも見える。こっちの医務室、忙しかったのかな…それとも、徹夜明けのなにかがあったとか。

私に気が付いた歌姫は片手を軽く挙げてにこ、と笑ってる。その後ろのマリアも顔を上げて微笑んだ、けれどやっぱりなんだか元気が無さそうだ。

「あら?ハルカじゃない、もうこっちに来てたのね!」
『はーい、お久しぶりです…って程お久しぶりじゃないんですけれどね!』

机に置いたものを指し、こちらお土産です、ありがたく飲ませて頂きます、と互いにぺこぺこ頭を下げた後。雰囲気を切り替えるように歌姫は真面目な表情でドアの方を指した。

「ハルカが来るって聞いてね、直接で良いから少し見て貰いたい事があんのよ。来てもらえる?」

ふたりの空気を察するに、歌姫ではなくマリア側の問題だろうなって思った。彼女はこっちで医務室を担当してる……そういう話かな?くらいに考えながらゆっくり頷いた私を見て、頷き返す歌姫。歌姫が先頭にドアの外に出て、その次の以前より少しばかり覇気のないマリアの背に私も続いた。

なんだか重たい空気の中で進んでいった先は医務室。中に入って歌姫は「あんたはこっち」と私をデスク側の椅子へと誘導して。

怪我をした生徒や補助監督生が主に座った(それよりも学長がダントツで回数多いんだけど)椅子にギッ、と音を立てて座ったマリア。歌姫はデスク側、私の脇に立って腕を組んでいる。

「……まずはハルカにマリアの治療をとりあえずして貰いたいのよね…早速だけど良い?」

真剣な表情の歌姫を見て、マリアを見て。何か混み合った事情がありそうだ、と考えた私は歌姫を見上げた。

『これ、治療証明書書かない方が良い案件です?』
「……どっちでも。ただ、治してもまた悪化するのは確かよ、原因をなんとかしない限りね」
『ふーん…??じゃあ、一度治させて貰います、マリアの…怪我?病気?』
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