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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第33章 これは終わりではなく始まりの刻


「そうだね、だって、僕は……スパダリなのだからっ!」
『自分で言っちゃうそこが残念ポイントだねー、世の中上手く出来てるって思うよ』

神は全てを五条悟に与えなかった…ってね!
ちょっとだけ残念そうな顔をした悟。悲しそうな子犬のような表情にも見える。

「ソンナー……あ、そこ段差あるから気を付けて」
『ん、ありがと』

二段ほどの階段を見て、気を抜かずそこを進んでいく。
もうホームにやってきている新幹線が見えた。朝故に皆静かで忙しなく移動してる。私達もギリギリに慌ただしくするよりさっさと乗ってしまおうと車内へと乗り込んだ。

乗り込んだ車内、席はどこかな、と番号を確認してゆっくりと進んでいけば指定された席があって私の肩をとんとん、と叩く悟が車内の空気を読んで声量を抑え気味にしてる。

「先に奥に入ってて。僕はこの荷物を上に乗せとくから……お弁当はこっち(座席)に置いとくよ、」
『ん、さんきゅ』
「お弁当、僕のまで食べちゃわないでねー?」
『そこまで食いしん坊じゃねえかんな?』

……まだお昼まで先だし!
先に座席に腰掛けながら見上げた彼はクックック、と楽しげに笑いながらに荷物を頭上の荷物棚に乗せてる。乗るか厚さを心配したけどちょうど良いサイズだったみたいで「うんっ!ピッタリ収まった!」とバッグをトントン、と指先でご機嫌に叩いていた。
荷物置きに乗せ終わり席に腰掛けるとじっとこっちを見てる彼。

「……約四ヶ月を過ぎて時期的にもう大丈夫だろうしさ、一応僕の家に妊娠の報告と、それから春日家にいる龍太郎達にも僕らの赤ちゃんが出来たヨーって事を伝えに行こうか。
ハルカの親父さん達はこっちに帰ってきてからでさ~……ね?」

危ない時期は越えていて安定した期間に入った。だからようやく報告に行ける……、けど高専周辺の人間関係に至っては速攻悟が言いふらしてるんだよね。今回は正式にというわけで。

彼の言葉に私はうん、と頷けば悟は少しだらしない笑顔になってまだそう目立たないお腹を擦る。映像とかだと結構大きく見えるのは良く見えるようにって特別な画面だからかなあ、現在の私の腹部は僅かにぽっこり出てるって具合なんだけれど……。
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