第33章 これは終わりではなく始まりの刻
彼に対しての飲み込んだ言葉(文句)。
もう一度、今度は触れるだけの優しいキスをして、準備の出来た悟と目隠ししたままに。
太ももをねっとりとした動きで撫でる手が、指が誘われていくように下腹部へと辿り着く。くちゅ、というわざと愛液に空気を混ぜて音を立て、指先が丁寧に今から入り込む場所に負担が掛からないようにと解すように撫でている。
くちゅっ…くち、くちゃ…って。
いつも聞いているだけで恥ずかしくなるくらいに濡れた、私のあそこの音。今は目隠しをしてより視界以外の感覚が視覚が失われている分状況を察するために鋭くなってしまっているから良く聞こえる。
『……んっ、』
「すっげえぐっちょぐちょ。僕だからいいけどほんっとオマエ、毎回良く濡れるよ。いや、それともアイマスクでいつもよりも興奮してる?」
『……さあね?』
多分、いつもよりは興奮してるかもだけれど。
「準備万端」と元気な言葉を聞き、カサカサという音を聞く。しばらくすればパチン、と小さなゴムの音。しっかりと包まれたと音で判断して、下半身にそれが入ってくるという事を想像したら待ち遠しい。充分に指で焦らされて早く欲しいんだ、早く、早く挿れて……っ!
心の声が届いたのか、宛てがわれたもの。じわ、と熱をそこに感じる。
「早速だけど。このまま挿れていくから……」
『んっ…来て、さとる…』
中に入ってくる感覚は探るようにゆっくりと、そしてこういう所は加減の出来る彼は奥まで来る前に直ぐに引いていく。ゆっくりとした動きで、子宮に負担が掛からないように適度な動作で。
私がどう感じているのかを度々聞いて。
シチュエーションに激しさを期待をしたけれど、悟は乱暴な事を決してしなかった。
教師としての設定を持ち越したわけではないだろうけど、優しいままにとろける夜を味わう。激しくて何度もペニスを搾り取るようなイかないえっちもありなんだ…と、普段はおちゃらけてばかりな彼から向けられる優しい愛情に溺れそうになる。
水中から息継ぎをするように、アイマスクを自ら勢いよく取った私は事後、最初にしたキスのように悟の唇へとキスをしにいった。