第33章 これは終わりではなく始まりの刻
私の言葉を理解したのか、さっきよりは遅めな動きで目の前から離れていくサトール。その背というかもこっとした尻を見送りながら、悟が私に聞いてくるけど。
……そういうのは学長によるアップデート次第なんじゃないのかなあ。
『今は付いてないと思うけど……何かあるの?』
「え?ハルカと夢中でしてる時に呪骸にハメ撮りとかしてもらおうかなーって!そうすれば後で送ってもらって僕のオカズにもなるじゃん?」
正論でも言ってるような真顔。
股間に立派なオベリスク建設しながら教師が何言ってんだ…?その艷やかな唇を閉じろ~?
『なに寝ぼけた事言ってんねん、えっちしてる時の姿なんて撮らせねえよ?第一、悟に送れるって事は別の人にも送れるじゃん、中に端末入ってるんだし学長だとかに送られて見られちゃったらどうすんのっ!』
「案外客観的ポジションからのセックスシーンって学び甲斐があると思うんだよねー、今後のえっちに重要な授業となる、リアル保健体育……そう思わなーい?」
『あれ、この教師聞く耳持たずかな?さてはその両耳は飾りでは?』
まるでひとり舞い上がってるみたいに「後で学長に頼もーっと!」と嫌な独り言をして、堂々とズボンの膨らみを強調したまま片腕がそっと私の背に触れる。
さわ、と一度背をゆっくりと撫でそのまま彼側へと引き寄せられて。
「さあ、ハルカ……お喋りはここまで。そろそろ秘密の補習授業、始めよっか」
生徒として補習を受けた時と違い、今の私は生徒じゃなくなってしまったのに制服を着てる。ただそれだけなのに…。
どうしてか、心臓がバクバクとして顔がじわじわと熱が集まる。隣の彼を見上げながら、いつものセックスとは違う状況に私は固唾を飲んで小さく頷いた。