第33章 これは終わりではなく始まりの刻
コト、とご飯をテーブルに配膳すると、悟も両手にお椀を持ってテーブルに配膳してる。アイマスク下のおしゃべりな三日月が少しばかり懐かしむような口振りだった。
「そうだねえ……ハルカが死んで意識不明の時にだね。
抵抗も、僕を受け入れることも出来ない無意識のオマエを犯すなんてそんなのスパダリじゃない。でも大好きなオマエを見つめる時間が多かった。ムラムラしてどうしても気分が冴えない時はこっそりと自室でベーションしてたの。
制服着てるハルカとか、似てる子が居てさ~……でも、ハルカの意識が戻ってからは本で抜くよりハルカに中出ししてるから不必要になったんだよね、あの本」
ギギッ、と引いた椅子に座りながら、煮物を盛った皿を置いて「ほら、座りなよ」と急かす悟。
結局あのサトールが見つけてきた掘り出し物の本は要らない本だったかー……とベッド側で散乱する雑誌を眺めて、私も遅れて椅子に座った。