第33章 これは終わりではなく始まりの刻
本を見つけた、見やすい所に置いておこう、じゃなくて本を見つけた、読んでから見やすい所に置いておきました、という事。
多少なりとも誤魔化せたのかもしれないけど、はっきりと内容を言ってしまったからには戻れなくて。私は急いで沸騰してた味噌汁の火を止め、その味噌汁の蒸気と同じく顔からも蒸気を吹き出しそうなくらいに熱を持ったままにゆっくりと頷くと、悟はぱあっ…!と嬉しそうな顔をした。
本を背後…、ベッドの方へと雑に放り投げて。
……それ、後でちゃんと片付けてよ?
「あ、じゃあハルカったら本を見てもしかしてムッシュ・ムラムラしてる感じですか?」
『(トリックかな…??)う、ん……そうなるかなあ~…』
恥ずかしいんですけどね?顔も耳もマジで熱い、久しぶりにこうなっちゃった。思わず俯く中ではしゃぐ悟の足元が見える。
「もしかしてのもしかして。今日、あんなえっちしても良いってコト?」
『あー…うん。お腹の子に影響がない程度に、控えめでなら、ねー…したいかな、なんて』
……悟の疲れどうこうじゃなくて、普通にご飯を早く食べた方が良いな、と理解した。
今更疲れてるんでしょ?なら今日は控えよう?なんて言っても、今元気になってしまってる彼のご機嫌が損なわれるだけ。多分、ご飯の後のデザート感覚でえっちは疲れとは別腹みたいなモンなんだろ、と分かってきてる。
閉じてた炊飯器の蓋を開けて自分の分のご飯を茶碗に乗せてると、コンロ前で悟が飲む時に火傷しそうなあつあつの味噌汁をお椀によそい始めた。
「クククッ…!わー、今夜楽しみっ!どうせなら本になぞってJKスチュでさ、制服着てえっちしたいな~!生徒と教師プレイなんて、医務室じゃハラハラしたけど今じゃ犯罪じゃない、思いっきり出来ちゃうもんねー?これこそ非公式ではなく公式!堂々とヤろうぜ!」
『はは……ソウダネ……ちなみに、あの本っていつ見てたワケ?』