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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第33章 これは終わりではなく始まりの刻


さらさらとお茶漬けを食べつつ、温野菜と蒸したチキン、トマトなどを乗せたサラダを合間に食べて携帯をいじる。
暗い画面からぱっ!と明るくなれば、壁紙よりも手前にピックアップされてるいくつかの通知の件数。

『む、悟から連絡来てた!』

誰から、なんてそりゃあ任務に行ってる、恐らくは現在食事中もしくは移動中の構ってちゃんからであって。
早く連絡返さないと変に心配されちゃうからなあ。側に居るサトールが通報してないし、悟も呪骸からの連絡が無いのは心配の無い状態、くらいには思ってくれてると思うけど…。

その呪骸である小さな彼、サトールはご機嫌に今日も部屋内の散策をしてる。このフリーダムっぷりは悟にそっくりで始めこそペット感覚をもってたけれど最近は彼の親戚じゃないのかな?くらいに思えてる。なんだかんだいって可愛いんだよ、あの呪骸は。
だからって悟の前で可愛がると凄く悟が不機嫌になるんですけれどね?……まったく、大人げないね?

ゆっくり食べながら携帯をいじる。悟本体からの、ちゃんとお昼食べられそう?と、倒れてない?という心配し始めてるメッセージに対して、『片付けに夢中になってた、今ご飯食べてるよ』と返した。直ぐに既読が着いて嬉しそうな笑顔のうさぎのスタンプが送られてきて……今の彼は手が空いてるのかな?

これで悟の心配は減ったでしょ…、と食べ終えた食器を重ねながら、かなり静かな部屋に疑問に思った。今、サトールはどこを冒険してるのかな?
周囲を見回し、耳を澄ます。この部屋か、隣の部屋か。さっきまで片付けていた、様子の分からない悟の部屋に座ったまま体を傾けた。

『……サトール?』

部屋の中にそう声を掛ければ、隣の部屋からガタガタと小さな物音が聴こえる。あっちにまで出張してたのか、小さな冒険、今日もご苦労様です。

ザザ、ザザ……という何かを引き摺る音が聴こえ、「ヌ、ヌヌヌ……」という踏ん張るような声。なんか頑張ってんなあ、物音だけで可愛いや。
やがてその方向へと迎えに行くように自らの足で進んでいけば、何かの雑誌を布の口に挟みながら足で突っ張ってこっちに運んでる最中のサトール。なになに、一生懸命に雑誌を引っ張ってきたの~?

床にしゃがんで手を叩く。アンヨが上手、アンヨが上手。頑張れ、頑張れ。
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