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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第33章 これは終わりではなく始まりの刻


311.

食べ放題とはいえ調子に乗ってドカ食いしたら大変な事になる、と御三家会議マーライオン事件で流石に学びましたので、ゆっくりとしたペースで無理なく食べていく。

そんな中、若人達は元値を取ろうとドカドカ注文しては焼き、口に運んでいく。さっきのマーライオン事件について話してすぐのあの空気はどこへやら。真希も落ち着いたし、たれ付けされた肉をジュウジュウ焼く音・匂い。それらでイメージよりも目の前への食欲が勝ったようで誰一人として「うっぷ、」とか食欲が無さそうな反応はなく、焼けたら直ぐに箸が食べごろの肉にサッ!と伸びていく。

焼くための鉄板は長めの席に2つ、一気に焼き始めては赤い肉に焼色が付けば直ぐに捌けていき、その空いた場所にすぐに肉が補充されていく。主役は真ん中、そして玉ねぎやらかぼちゃといった、肉の脇に付いてきた僅かな野菜はすみっこぐらし。
私もうまうまと食べていたけれど。どっかの誰かさんが全員分のミニサラダを注文し、そこにプリンも一緒に運ばれてきた。
……確かに野菜も必要だね、ウン…。注文したのは一体どこの一年の担任なんだろ…?

始めこそ猿山にピーナッツを撒いたような、どこの部位でも構わない、腹を満たす為の肉の争奪戦だったものが、少しお腹に収まったという事で理性ある人間の焼き肉の光景になってる。
食事もこうやって進化するんだな……と、箸を持ちカチカチと動かしてこの場を眺めていたら、目の前で焼いていたハラミが無くなっていた。
オイ、どこのどいつだ…?ちぇっ、また端末で注文しよ。

こんな感じで食べ放題故に許しあえるのは良いけれど。見た感じ勢いが止まらないね、特に真希と狗巻と虎杖がたくさん食べているような……。

「ね、ハルカ。子供がデキたのが進級を諦める理由なら、まだだったら二年に上がってたワケ?」

そう隣の野薔薇に聞かれて、そうかも知れないけれどまず前提として悟との約束があったから、と交流パーティーの会場の中庭のやりとりを思いだして。

『京都で私、危ない目ってか死んでるからね、そのやらかしで私は進級するの、アウトなんだよね』

「……なんで?結果的に生き返ってるから普通に学生としていけたでしょ」

このやりとりは野薔薇とだけど、周囲も不思議そうに私達の会話に耳を傾けてる。そこで口を挟むのがエアー・ブレイカーこと五条悟という男。
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