第32章 御三家
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やってきたのは焼き肉食べ放題の店舗。一年だけじゃない、二年の先輩達も合流しての大勢でのバイキングに伏黒が予約をして皆が揃うまで待って。一年と二年そして悟含める全員が揃ってからスタッフに「それじゃあ、全員揃ったんでお願いします」と伏黒が伝え、タッチパネルがバイキング受付仕様となった。
シーフードでも焼かない限りは匂いでやられないと思う。基本、皆肉に飢えてるから今回の焼き肉はナイスです。奥に男子諸君が、通路側に女性陣が座り、対面式の席…私が並ぶベンチ席には一年が。反対側には二年が座っている。
いつも側を離れない悟はこのメンバーに安心したと言うか、いくら高専に居る人だとしても特に信頼出来る自分が担当した事のある生徒達で大丈夫と信頼して私の居る座席の窓際…、奥に座って頬杖をつき、一年と二年の全体を眺めるようにしてにこにこと笑っている。
……ちょっと席が離れているせいか、目が合う度に「ハルカ~」って手を振ってくる。私はテレビのカメラか?カメラアングルに入ったらそれに向かって「イエーイ、見てる~?」ってピースしたりする田舎のガキンチョか?あんたは。どうせ部屋ではいつも一緒なんだし、皆と過ごすこの場では目を合わせんでおこ。
「よーし!元取れるまで食うぞ、オマエら!」
「しゃけっ!」
「「「おー!」」」
「久方ぶりの肉だー!」ってはしゃいでる虎杖。普段、寮で皆何食べてんのかな…。
タッチパネルでこれでもか、と先に怒涛の注文を入れてる真希。これもオマエら食うだろ?こいつも食うだろ?…と。虎杖がはいはい!と手を上げてカルビを追加してもらってる。
……一気に注文してテーブルが大変な事になりませんかね…?
そこに私も乗っかり手を挙げた。
『あと米ぇ!焼き肉といったら白い米をオナシャス!』
「しゃけ!」
「俺も!」「私も!」
始めは自身や皆の意見を聞いてホイホイ注文を入れてた真希もだんだんと面倒くさくなってきたのか、真希の斜め前の伏黒に「やる」とバトンタッチした。大人数での一個の端末のみだと注文が面倒くさいもんだよねえ……。
真希が腕を組み、全員を見て「ああん?」とキレていらっしゃる。悟以外背筋をピンとして首を竦めてる一年&二年。