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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第32章 御三家


への字口の悟を横目に静かに来た道を私は戻っていく。ええと、トイレ、トイレ……。
彼が言ってた通りに進んでいけば、トイレの場所に無事に辿り着けた。さっさと用を済ませて直哉って人が戻る前に先に戻らないと……。

ただ心配なのが下の出るもんは済ませたから良いとして今度は上の方よ。何か口に出来る飴とかあれば良いんだけれど私と悟との間の畳に巾着袋置いて来ちゃった。ガサガサ音なんて会議中に出してられないよな~……。
会議中に飴とか口にしてたらヤバイし……どうしよっか?お茶で誤魔化しきれる?

気分が優れない中、着物姿でもたもたと来た道を戻る最中だった。

「アンタが悟君の嫁ぇ?」

……真横。まだ先の部屋に戻ろうとする中での事。
立ち止まって声の方向を見れば、髪は全体的には金色で、毛先は黒の男。腕を組み、一枚分開いた障子に肩を凭れるように立っていて。ニマニマしながらに真横から品定めするようにこちらを見ていた。
視線がカワグチ組で体験した競りの時のと似ていて、吐き気が増す。

男は陽の入らない、その一枚分障子を開けた部屋に入り「なあ、」と手招きしてる。にこにことした笑みはあまり好意的には感じられなくて。

「ちと、こっち来ぃひん?な?ハルカちゃん。少し話そか?」
『……いえ、会議の場に戻るんで…失礼します』

声掛け事案発生ですわ…やっぱ悟に付き添って貰ったほうが良かったかね?そう思いながら男を横目に見て、進行方向へと視線を戻した所で「まあ、ええから!」という一言と共に私は腕を掴まれ、その部屋に強引に引き込まれてしまった。
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