第5章 "好き"が止まらない!
明後日は駄目だ。短大時代の子からのお誘いがあった合コンの日だ。学校に居る時に会話をする程度でプライベートに遊びに行く程では無かったけれど。人数合わせってものでも良い出会いがあれば良いって事で…何事も経験だろうし。
私は悟を見て首を振った。
『明後日は私、夜に予定がある。だから明後日以外が良いかなー…』
「……あっ、そうなの?じゃあ3日後なら良い?」
その辺りなら大丈夫か、と私はウンと頷いた。
校舎から出て寮へと進んでいく。悟は私の抱える教科書を持ち上げた。
「鍵開けたりするでしょ、これは僕が持っとくね!制服、サイズ合ってると思うから試しに着替えてみてね、明日になって合わない!って事が無いように。
まっ!流石に合ってると思うけれど!」
『教科書持ってくれるのはありがと。でもなんでサイズが分かるのかが恐怖なんだけれど?いつ測った?ねえ、いつ測ってたの?いつの事だよ?』
「~~♪…はい、ハルカの部屋前ですねぇ、鍵開けて」
本当にいつ測ったんだよ……、と疑問の視線を送りながら私は鍵を開けて中に入った。
悟も着いてきて、机に教科書をどさ、と置くと例の壁から隣の部屋方面へと進む。私が寝てる間に侵入してきた時、向こうから開けるの、いつもより力が入っただろう。止めたテープの跡を後で剥がさなくてはいけない。
「早速だけど着替えててね」
スコンッ、壁が壁の役割に戻る。
なんなんだ、あいつは……、とハサミとゴミ箱を用意してベッドに紙袋を置き、がさがさと薄いビニールに包まれた制服を取り出していく。
プライバシーの無い壁のせいでまともに着替え出来ないんだけれど、とタグやビニールを取り除いた制服を持ち、脱衣所に服を抱えて私は私服から制服へと着替えていった。
『………』
少し高めの襟とフードが白。
上着は黒地だけれどセーラー服ばりに少し丈が短い。黒いインナーを中に着てるけれど腹が冷えそうだ。
そして下半身。パンツタイプを希望する私には悲報だ、ミニスカだ。おそらく釘崎よりもちょっと短いのではないか?これはパンストでも履いた方が良いな…動きが制限される。釘崎も中に履いてたし良いはず。
タンス、タンス…と脱衣所から向かっていれば壁の方からコンコンと叩く音。