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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第31章 灰色の日々


「今の所体調はどう?ここならトイレも近い席だし、気持ち悪くなったら言って。すぐに連れてくから」

さっきまでのお子様ムーブは切り替わりいい旦那さんモードに変わってる。その変化に頬が少し緩んでしまうね。部屋以外では誰かしら支えてくれたけど、部屋で孤独を感じる時は辛かった。こうして、大好きな人が傍にいてくれるってだけでも心が安らぐんだ……。

『ん…、心配ありがと。今は吐き気とかどっか痛いとか特に無いから平気、不安もないし気分も良いよ』
「うん、健康第一、ドンドウォーリー・ビーハッピー!それなら良いけどさぁ……」

じーっと不安そうに覗き込んでくる彼は、実際には目元が見えずともその布の奥の表情が見えるような気がする。
この席が誰かに見られてるわけでもない。だから見えないのならその僅かな時でも触れたいと私は思う。そっと手を悟の頬に伸ばして優しく触れた。

『何も言わずに消えちゃったらまた不安にもなるし、気分も悪くなるからぜーったいに連絡は忘れないでよ?』

「……うん。ぜーったいに忘れない。忘れちゃったら、オマエが遠くに行っちゃうもん…、それだけはぜってー嫌だ。僕の帰る場所にはオマエが居ないのはあり得ないもん」

優しく弧を描く口元。きっとアイマスクの下は撫でられた猫のように細めてるだろう瞳。
頬をすりすり、と撫でた後に止めて、手を彼の頬から離し、自身の膝に置こうとしたらその手を捕まれ、再び彼の手で支えられながら触れさせられた、彼の頬。
唇がへの字で不機嫌そうなのにやけに甘い声色で文句を言う。

「なんで止めちゃうの、もっと僕の事を撫でてよ?ハルカチャン成分がぜんぜん足りねえんだけど?」
『はいはい……』

さわさわ、と撫で続ければ唇は弧を描きご機嫌そうに撫でられ続ける悟。

「ファー…ブルスコ……ファー…」
『壊れたファービー止めろ~?』
「んー…だってきもちいんだもん、ファービーじゃなくても壊れちゃうよ、どういうテク使ってくんの……もっと撫でて、もういいって僕が言うまで……」
『はいはい…』

……こんなにも足りなくしたのはどこのどいつですかねえ?その言葉を飲み込み、撫でながらに悟がこのまま寝てしまわないよう声を掛ける。
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