第31章 灰色の日々
『ああ…うん、あまり芳しくはないですねえ~……、だるい時とかひとりですもん』
正直、今だって(まだマシな方)だけど胃がムカムカしてる。苛ついてるのもあるかもだけど。
そんな時のマジックアイテム、気分をさっぱりするお菓子を口に突っ込んでるのだ!現在進行系でコーラアップのグミが口内にふたつ。
飴やグミなど常備して、レモンだとかソーダとか気分を紛らわせる味で毎日を乗り切ってるのさ。これがない場合はマーライオンメーターが上がっていき最終的にはトイレかゴミ箱を求めてしまう展開になる。
ぐったりとした気分の中で『あっ、』と思い出したように身体を起こし、歌姫にウインクをした。
『でも、だるい時に部屋でゴロゴロしてる時、離れた場所は"怒髪天"でマジックハンドみたいに絡めて取ったりと呪術については日々鍛錬中ですよ?』
「はは……あんたねえ~…。
落ち込んでるんじゃないかって思ったけど、こういういつもの楽観的な所、変わって無くて安心したわ……」
えー…だって皆よりも経験が少ないんだもの。こういう日々の生活の中で鍛錬していけば任務中にも道具なり、武器なり式髪を編んで作り出す事が出来る。
私とは時期というか、経験はどっこいどっこい、いや、影でしこたま鍛錬してた虎杖。
彼は戦闘タイプで任務や戦闘時に前線へと出ている。私は後方のサポートタイプとはいえ、レベル差を感じてるんだよね。レベチだレベチ。
やっぱさあ、頼られる人でありたいって言うのが人であって。治療以外にも得意を増やしたいからこそ、こういった面を磨いてる。
……頼られるっていうのは治療とか任務についての話であって、尋問については頼られたくないんだけれどね…。
今の所、その尋問の話は来てないし、京都の話以外の上層部が明らかに絡んでそうな任務は来てない。きっと、補助監督生や学長とかがはぐらかしてくれてるのかもだし、単に尋問する人物が現在居ないか、上層部の道具として扱われる場面が来ていないかっていう状況かもだけどさ?
それを考えたら、歌姫について気になって。耳打ちって程じゃないけどこっそりと歌姫に聞いた。
『あの、歌姫さん。ちょっと聞きたいんですけど……京都の方では悟は今どういう状態かって…伝わってますか?』