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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第30章 彼と共に彼を待つ


やけに嫌がるサトールがはみ出すバッグを持った所で、お土産を配ってる最中の悟を振り向いた。彼はドイツに行ったんだからせめてハリボーとか買ってくれば当たりだったろうにさあ……何故かじゃがいものフィギュアを買ってきてる。
えっなんで?しかもカプセルトイじゃん、日本に入ってからガチャってるじゃん。あまりのハズレっぷりに期待してた皆の顔から笑顔が一瞬で消え去ってんだけど。

「えっ…なにこれ、私要らないんだけど」
「先生ー、これ日本国内で買えてかつ、メイドインチャイナって刻印されてんだけどー」
『ほらー…不評やーん……』

寮の部屋に一度帰る用意をし終えた時ふと見たクラスメイト達の表情。嬉しくなさそうな表情が並ぶ中で特に伏黒はすごかった。彼の目の前にことん、と置かれたのはガチャガチャから出てきたであろう、じゃがいものフィギュアではなくテッテーシリーズの愉快な玩具達の映画に出てくる……。
思わず机の上に自立するそいつを私は指差さずにいられない。

『Mr.ポ●トヘッドじゃねえか、なんで芋にこだわってんの?ドイツ=じゃがいも?』

すっげえ嫌そうな伏黒の表情を見て、満足げににっこにこしながら硝子へとロング缶のドイツビールを渡してる悟。そこはまともな選択だわな、ニーズに合っております。硝子の求めるものは分かったのにどうして可愛い生徒には芋の玩具を選んだのやら。未就学児じゃねえんだぞ?
配った後でまだ袋にお土産が入ってる。えっ…まさか、残念なチョイスが詰まってるんじゃないでしょうね?気になったら覗きたくなってきたわ。

『ん、待って。他の袋の中は?どういうお土産入ってんのさ、』

まともなモノを買ってたらそれを皆に配りなよ、イモガチャとか不評だろ、と袋の中身を伏黒の机の上で私と伏黒で覗き込む。硝子の近くに居た悟がシャフ度体勢でぐりん、と振り返った。
……にこにこしてんなあ~…、そのニヤケ顔を収めんか。

「うわ…」

伏黒がそう一言、私も思わずしかめたのは袋には硝子と同じくお酒に分類されるお土産が入っていたのだけれど。
苛立つような声で伏黒が顔を上げ、椅子から彼は立ち上がる。袋をぶら下げ、悟に突き出して。
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