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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第30章 彼と共に彼を待つ


独断でも任務に参加は出来るだけ参加するなと伊地知が言うのだから、この前のコトリバコの生産者の件はよっぽど抗えなかった案件だったんだろうね…悟に相談する隙も与えられないほどに。

伊地知には悟には私から直接言うから、今は言わないでと言ってある。今、遠くにいる彼に言ったら任務に集中出来ず負担になるだろうし、いい気持ちにもならない帰国までの日々を過ごすことになるし。なによりも帰国早々に上層部にカチコミに行っちゃう。「どうして止めなかったor僕に相談しなかったの伊地知ィィー!」とか言って伊地知にも当たられる……。
だからこそ、直接伊地知には非がないという事を先に言ってから説明した方が良いし。

……静かで窓から差し込む明かりがぽかぽかで気持ち良い。
いくら自習とはいえこれでは眠くなる。体調も良いしさ~…強制的に耳に入ってくる言葉も、チョークが叩きつけられるように黒板に文字や図形が書かれていく様もなく、自習であれば自分の意思で好きに始め、好きに中断出来るもの。一気に集中出来れば良いけれど、そのやる気スイッチは多分、寮の部屋のベッドあたりに置いてきてるんだなー、これが!

『……はぁー…』

…自習でも、悟が居たら邪魔しに来たり、何か補足してくれたり、むしろここから連れ出して外に「気分転換でもしようぜ!」って言ってくれたかなあ……。静か過ぎる日々で心だけじゃなくて少しばかり耳が寂しい。気を紛らわせる為に目の前のいくつかの本を読んでみようかな?という興味本位で手にとって積んだ一冊に手を伸ばし、表紙に触れてぱらぱら…とめくれば微風が締めっきりの部屋に吹く。

本を読むことは嫌いってわけじゃなく、また好きというわけでもない……そう、普通。興味をもって読もう!って気合いを入れてから、もしくは読んでみて引き込まれる世界であれば一度読みだしたら夢中になれる。夢中になったらこっちのもの、ずーっと誰かに邪魔されるか読み切るところまで読み干せる。
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