第30章 彼と共に彼を待つ
最大でハッカイという呪物があり、それ以上のものはどうしようもなく強力すぎる為にあえて作られず、そのハッカイはコトリバコの中でも危険であるとされ、等級を特級呪物として指定されている。
流石は職人、呪物といっても心というか呪いを込めて作っているせいか、怯えながらもイッポウ24個、ニホウ20個、サンポウ16個…と、呪物の情報を吐いていった。
最後まで話し終えたヤタベ。「……以上だ」と肩を落として呼吸を荒げていた。それを見て乙骨と視線を合わせて互いに瞬いた後に乙骨は頷く。
「……とりあえず、聞きたいことは聞き終わった、みたいですね」
『はい…じゃあ、この人の手のドラえもん一歩手前な負傷を治しときますねー?』
「うん、お願い」
これで上からのお望みの情報を引き出せたのかな。
情報を引き出すために拷問で傷付けた分を回復後、少し急ぐような伊地知が私達を連れ、代わりにドアの向こうに待機していた別の集団が流れ込んできて中で何やら騒がしくしてる。
その騒ぎを背中に私達は早々とその場を後にした。