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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第30章 彼と共に彼を待つ


鼻で笑う男の額には痛みだとか色んなものを我慢してる脂汗が流れてる。
尋問って、確かすぐには痛めつけず精神からやる方法もあるだろうけれど(家族とか身の回りの大切な存在をチラつかせたりとか)私はメンタルを追い詰める攻撃手段は知らない。任されたのは痛めつける血生臭い方法。
痛みを植え付ける方法……、爪や指くらいなら再生したとしても私の代償はかなり抑えられる部分のハズ。貧血にもならないはず、長期戦にならなければ、だけど。

『爪と指を剥がしたり、指を詰めた後はですね……また、剥がしたり、指を落とす為に綺麗に指も爪も再生して、いちからまた爪を、そして指をと繰り返して行きますねー』
「は」

小馬鹿にする表情がゆっくりと真顔になり、見開くその目が私を見上げてる。

『あ、水を掛けられた際のバケツみっけ。これ使お。
以前本で見た事ある作品にですね、再生する体の男性に拷問で、バケツいっぱいに切断した指をパンパンにいれてくってシーンがあったんですけど、まさか私がそれをする立場になるなんて思ってもいなかったなあ~……そういう事するの、悪役だしさ?』

床に置かれていたバケツの外側、底面から床に零れた透明な液体を見て、さっき触れた男の服がなんか湿ってんな、という疑問は、気絶や寝ていたりした所を水を掛けられ起こされたのだと推測して。

そのバケツの取っ手を握って男からも見える場所にガタン、とその空のバケツを置いた。

『……トングとか無いから素手か…素手はヤだな、血まみれで感染症とか困るし……、まあ、それは後で工夫して拾うとして、だ』

たんっ、と男の肩に手を置いて、一枚ずつ連続的に三枚爪を剥がしていく。というか爪がプン、と床なり壁の近くの方向へ凄い勢いで弾けたように吹っ飛んでいった。
右手の人差し指、中指、薬指。小さな音でみっつ分の落とし物をして、拘束された男は身を捩らせ、可能な限りに痛みで暴れる。逃げ出す事が出来ず硬く拘束されたまま「あ゙あ゙あっ…!」と喚いた。乙骨が苦笑いを零す。

「割とハルカさんってサディスティックタイプなんですね…じわじわと追い詰めていくというか…」
『えっ、五枚ずつくらいの感覚で進めていった方が良かったでですかね……』
「そんなセット売りみたいに扱わなくても……というか」

拘束される男のギリ、という歯ぎしりを聞きながら、男から目を離さない乙骨を見て。
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