• テキストサイズ

【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第5章 "好き"が止まらない!


ぴく、と程よく筋肉の付いた右腕が反応して、そろそろと開放されていく。
上半身を起こして背後の悟を見る。寝癖が凄い、ふわっふわのポメラニアンみたいになってる。

「……忘れてた☆」

眠そうに瞼を開閉し、私を見てぶりっ子の如く、ウインクしながらてへっ、と舌を出した。てへぺろだ、リアルにやるやつ居るんだ…ここに居たわ、28歳の男がさ。両手も使って可愛いアピールもオプションでつけてるし。
あざといし可愛いとは思うけれど私はじーっと疑いの目を向けていた。

『──次やったら学長に言うね』

「やめて?そもそもハルカがふかふかして良い匂いで抱き心地最高なのがいけないんだよ?だからさ、こうやってつい忍び込んじゃうんだって!」
『よくさ、変態犯罪者とか出来心だとか、つい、とか言うよね……?学長よりもポリスメンが良かった?ん?どうなの?その両手にシルバーのアクセ付けちゃう?』

「……すいませんでしたっ!」

まったく…、とベッドから降りてカーテンを空ける。
そしてその流れで壁のスライドも上げた。

『ほらほら、ボッシュートですよー、野々村さんちのスーパーヒトシくんならぬ、サトルくん』
「あっ」

ちょっとニヤリと反応したのは"くん"を付けたからだろう、私は構わずにスライドを開けた先を指差した。少し速歩きで私を指差してにやにやして近付く悟。
その悟の指先を私は手の甲で軽くぺんっ、と払った。それも終わった事だもん。

『恋人のフリをするための罰ゲームみたいなものだったからでしょ。今は恋人じゃないんだから、いくらでも言えるもんねー、サトルくんちゃんさん!様殿氏~…たそ!』
「ムキー!お部屋に帰らせて頂きます!」

どうぞどうぞ、とカウボーイの気持ちになりつつ悟を部屋に返して私は壁を戻す。スライドが降りればやっとひとりの空間になった。
……心は勿論痛いけれど。引き摺らないように前に進んでいかないと。私は朝の支度に取り掛かることにした。
/ 2273ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp